2013年8月21日水曜日

α系デジタル一眼レフ考察



小生の愛用機。α77(左)とα7デジタル。こう思うとデジタル化がだいぶ早かったのではと思うが。α7は第1世代。α77は第4世代に属するらしい。

α7はフィルム機とデジタル機の双方が存在したという異色機(実際はフィルム機の方が上位モデル)、フィルム機の機能性を可能な限り、デジタル機に移植したスタイルでゴテゴテとしたダイヤルが特徴的である。ミノルタ最後の名機だったα7フィルム機の特徴を良く残している。但し、黎明期のデジタル一眼レフカメラであるので画素数は610万画素に留まる。ただ、当時から言われていたが、このカメラはリバーサルフィルムそっくりの独特の発色をするので、未だもって解像度抜きで撮るマニアな人気がある。小生もわざとα7に振り替える事もあるし、2台持ちの時はα7の作例の方が発色がいい事も多々。

しかし、流石に時代の流れにはついていけなかった。第2世代くらいのデジタル一眼レフならまだ現役で居られるが、限界を感じ、昨年、α77を購入した。しかし、これまた、第4世代、黎明期のカメラである。第4世代で何が違うか。APS-Cか35mmかという部分で、まだハイアマチュア機はAPS-Cであるものの、機械式ミラーが廃され、有機ELを使用したEVF(電子ビューファインダー)が搭載されている。

α900に完成度の高いOVF(光学ファインダー)を搭載した後に、ハイアマチュア機にまさかのEVF搭載となり、賛否両論であったが、その後、ハイエンドアマチュア機のα900の後継のα99にまでEVFが搭載され、SONYの方針は決った。どちらかというとネガティブな意見の多いEVFであるが、長らくSONYのビデオカメラを使っていた小生的には「当然の流れ」と感じた。そしてファインダーはいかにもSONYらしいファインダーをしている。


EVFがどういう見え方をするのかというと、覗いてみると有機ELを使用しているため、液晶よりビビットな発色な感じはするものの自然である。水平儀が表示されているが、これのおかげで手持ちでも簡単に水平が出せるようになった。その他、フォーカスターゲットの表示等も、従来型のOVF(光学ファインダー)より鮮明に見える。

これは室内。ダマされてはいけないのは表示にISO100で1/6秒と出ている。Pモードであるが、ISO感度を100に強制的に指定してあるため、カメラが考えた露出がコレなのだろう。一瞬、EVF上では鮮明に見えるが、常識ではンン!?という設定である。本当にコレで撮れるのかよーと思うし、そもそも色味がどうなってしまうのか。しかしながら、撮りあがりの写真はほぼこの画像に近い露出と色味が得られる。



上の写真は、実際にシャッター釦を押した仕上がり写真。遊びで撮ってしまったが、シャッター速度が遅すぎるので、実際はもうちょい感度を上げてやらないと駄目であるが、ブレさえしなければ、カメラの言う事を聞けばISO100で室内で撮れるという事。ファインダーの写真は液晶をスマホで写しているのでオーバー気味であるが、実際のファインダーの発色はほぼ、上の仕上がり写真どおりである。暗くなって無理になってくるとちゃんとファインダー内にもノイズが走るので指標を得やすい。

もっと暗くなって条件が悪くなり、カメラの言う事を聞かずにMモードで変な設定をやると補正しなければならない値(この場合は絞りは命一杯解放されてるのでシャッター速度)が、赤く反転する。ISO感度を上げていって、シャッター速度が白に戻れば露出OKである。


露出が心配ならヒストグラムを表示してやると良い。テツ撮りの時は三脚にマウントされている事が多いので大抵は背面で見るのであるが、手撮りの場合などは、ファインダー内にも表示可能。左のグラフが上がってれば黒味が強い(黒つぶれ)、逆に右が上がってれば白味が強い(白飛び)傾向にあるという事で。グラフが頂点(ピーク)に達している時は本当に潰れている箇所があるので注意が必要である。この情報はα7では、一枚試し撮りしないと得られなかったが、α77では常に受光面がオープンしているので、撮影前に擬似的なヒストグラムを得る事ができる。

村長殿と夏男殿がデジタルに変えてから露出が難しくなったと言っているが、小生の場合は総じて逆である。ズルい方法でEVFとヒストグラムから露出を読み解いているからというのが答えであるが、ヒストグラムは特に良く解析しておくと、テツ写真の場合、車体色で「飛ぶ」「潰れる」というのがグラフで一目瞭然である。ただ、試し撮りできる列車があるか否かや、周囲に指標となる同系色がある場合であるが、、、。


SONY製になって、操作性が大幅に変ったかと言えば、意外にそうではない。何もかもがダイヤルだったα7から、ある程度ファンクション釦を押す設計にはなったものの、ファンクション釦は元のダイヤルと同じような位置にある。頻繁に使うAF/MF釦やAEロック釦はほぼ同機能で同位置にあるし、ホワイトバランス釦は軍艦上面にあるという位置関係は変らない。AFのメインスイッチや、絞りプレビュー釦は歴代αと全く同じ位置にあるという懲りようである。それからαシリーズ独特の前後のダイヤルも健在である。ただ、便利だった軍艦上面左にあった、露出補正ダイヤルが廃止されたので、代替で露出補正釦が軍艦上面右側に来ている。これをプッシュするとダイヤルでアンダー気味やオーバー気味に補正できるが、α7のように瞬時に絞って、また元に戻すという使い方が難しい。



ただ、いい事ずくめではない。EVFの代償として、光学的にダイレクトに見るOVFと違って、高速の被写体を狙うと、表示が追いつかないのと、処理遅れが発生するので、そこはカンで追っていかないといけない。ただ、これはビデオカメラのファインダーに慣れている人なら昔から仕方ないと割り切っている部分であろう。

あとは確実に使いにくい点はMFでのピント合わせが非常に難しい。夏男殿と村長殿にピントが合わないと泣きを入れる始末。本当にMFで撮るテツ写真にピンボケ多発。そして気づいた、ナニが無いってマイクロプリズムがない、、、。マイクロプリズムはあって当たり前の装備で、効いてるんだか効いてなんだか分からないような装備だが、いざ無くなり、しかもEVFの分解能を解析するとなると、かなりの眼力を使う。結局MFで撮る時も一瞬だけ、測距して、AFの力を借りて、置きピンする癖がついてしまった。

と思っていたら大恥をかいてしまった。ネットの情報を見るとEVFはMFのピント合わせが簡単という評価が多いのである。そんなバカな!と思ってネットで調べ、マニュアルを熟読すると、この釦!


スマートテレコンを拡大モードにして、これを押すとファインダー内の任意の点を最大11倍まで拡大してくれる。押すとファインダー内にピコッツと四角いマーカーが現れ、十字キーを使って拡大する。それで精密にピント合わせを行うんだそうで。マイクロプリズムを使おうとする考え自体、廃されているらしい。

ちなみにスマートテレコンとは、1.4倍と2倍の電子テレコンという事なのだが、CCD上の任意のサイズを切り取るだけなので、結果論的にはトリミングと同じ。なので、画像サイズはダウンするのとフルサイズでしか撮影できないRAWやRAW+JPGモードで使えないのとフォーカスが中央のみになる等、、、結局トリミングと同じ。んな訳で、テレコン機能は使えるような使えないようなであるが、拡大モードだけは便利ですねwwww







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