2018年2月15日木曜日

再びロマンスカーを追って

今月は時間があったので、長電で、またロマンスカーを追ってみた。いや、実はロマンスカーに絞って撮ったつもりはなかったのであるが、2100系スノーモンキーは特に苦手な題材のようで、気持ちの問題なのかどうも上手くいかなく撮ったショットのほとんどが没だったり情景的に微妙だったりした結果だった。また、各駅停車列車もそこそこ撮ったのであるが、いずれそれらも集中して、お題にして撮影しようかと思いながら、今回も2000系ゆけむりのショットを中心に。

長野電鉄 市役所前-本郷
α77+NINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO

前回と同じ場所のようであるが、より地下から飛び出して来る感じのあるショットを。前回撮った踏切から少々長野よりに行った所の道端から撮る。こうして見ると本家のロマンスカーから比べると、異常なデフォルメ感があって、相当に短いんだなぁと思うが、それでも、タンタン、タンタンと、連接車独特のジョイント音をしっかり響かせながら勾配を上ってきた。

長野電鉄 小布施
α77+NINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO


小布施に入ってゆく2000系ゆけむり。8500系の普通列車と交換する。展望室には外国人観光客の姿が見えるが、駅ホームにも大勢の外国人観光客の姿が。湯田中着17時台と宿泊に丁度良い時間だからだろうか、小布施の街を観光してきた旅客の姿が沢山見えた。昨今の観光地に居がちな東洋系の方だけでなく、西洋系の方の姿の人の方が目立つのもこの界隈の特徴。駅の窓口氏や乗務員の対応も、ぎこち無いながらも手慣れている感じである。

「流行は5年と続かない。」という長野の観光地の格言があるが、今のこの界隈は外国人観光客で溢れている。


長野電鉄 本郷
α77+NINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO

写真数が少ないようで、実はあちこち回っているうちに、今回は日が暮れてしまった。市街地まで戻ってくると、湯田中まで足を伸ばしていた特急の最終列車も長野市内へと戻って来た。一日中追っていたが、この編成も湯田中まで3往復。相棒は2100系スノーモンキーであるが、こちらも長野から湯田中まで3往復している。

長野に着いたら後は、停車駅の多い信州中野止まりのB特急として折り返して、須坂の車庫に戻る運用である。朝も須坂から出庫して、それぞれ1往復が区間運転のB特急となる。その他休日には、「ゆけむり〜のんびり号」として走る2000系(HiSE)編成がもう1本加わる。ちなみに特急車両は2000系、2100系それぞれ2本ずつ、計4本を所有している。地方私鉄としては特急しかも有料特急の運転本数は結構多い方である。

長野電鉄 小布施

α77+NINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO

今回のおまけ的普通列車は8500系。東京で見慣れていたはずなのに、地下線主体で走っていた車両でも没個性的だからか、アクの強い顔をしているマッコウクジラこと3500系と比べると、何となく影が薄い。

撮影場所は、村山橋の須坂側にある鉄道公園のようになっている空き地。西側の村山橋方向を撮るのが有名な場所であるが、東側は須坂の街並みが、ググっと広がっている。村山橋を渡ってきた列車が、市街地方面へと下ってゆく。奥に見えるのは村山駅。交換列車が待っている。交換と聞いて、対向列車の位置がおかしい事に気付いた方居るだろうか。右側通行で交換している。

前の写真を見てもらうと小布施駅も逆になっている。最初は、ワンマン車の運転士側にホームが来るようにとの配慮かと思っていたのであるが、構内踏切の位置によっては発車列車が支障して時間ギリギリに乗ろうとすると列車に乗れなくなる事を防ぐための措置のようである。他には、信濃竹原、小布施と、これまで撮影した駅ばかりだったので、全線が右側通行かと勘違いしてしまった。知らないと、思わぬ方向に列車がポイントを渡ってしまうので、ドキっとしてしまうのである。

季節はまだまだ寒いながら、少しずつ景色は春へと移ろいでいる。そろそろ、早春の景色を探しに行きたいものである。



2018年2月14日水曜日

オリオン座の下で



上田電鉄 八木沢-舞田
α77+MINOLTA17-35F2.8-4D (比較明合成)

信州、とかく上田の冬は寒い。今年は寒波の勢いが強く、日本海側で豪雪の日は良く晴れて、そして良く冷える。冬晴れの高地は星が綺麗というが、市街地の至近の塩田平では街明かりに照らされてしまうが、それでも大都会で見るより多くの星が空を飾っている。オリオン座の下でじっと寒さにこらえて列車を待つ。寒いとはいえもう2月も中旬、19時という時間の割にはオリオン座はだいぶ高い位置に上っている。この場所は構図としてほぼ真南。調べてみたらオリオン座がはほぼ南中に近い位置のようである。もうすぐ見えなくなるのだろうか、やはり、冬はもう終盤、春が近づいているようである。

八木沢の踏切付近の夜は銀河鉄道のような雰囲気で好きは場所なのであるが、構図を左に振ると、塩田平や、上田市街地の夜景が丘陵地に張り付いて見える。舞田の駅ごしにまだ灯の付いている精密機器の工場だろうか、そして丸子の方へ抜ける峠というには丘陵地になっている鞍部が光って見えている。気温はマイナス10度近いのであろうか、ピリピリとした寒さの塩田平を、温泉客の送迎も通勤客の帰宅も終えた列車が静かに市街地へと戻って行った。

上田電鉄 舞田
α77+SONY24-70F2.8T*




2018年2月3日土曜日

雪を被った塩田平



昨日は上田でもまとまった雪が降った。この地方の雪は、関東で降る雪とどことなく似ていて、周囲を真っ白にして、埋めてしまうというより、少し溶けて地面が露出して、寒さで氷結するというか、独特の雰囲気である。


上田電鉄 八木沢-別所温泉
α77+SONY24-70F2.8T*

八木沢から別所温泉へ上ってくる所は、安全のため仕方ないのだろうが架線柱が真新しく太くなっているが、それでも、線路と道路の間に柵がなく、警報機のない踏切があったりして、地方私鉄の雰囲気が残る場所。雪を被った上田の市街地をバックに、別所温泉への坂道を電車が上って来た。


上田電鉄 舞田-八木沢
α77+SONY24-70F2.8T*

雪が降ったものの、気温は先週の寒波ほどでもなかった。ワンコも日が暮れる前に午後の散歩。雪に埋もれた道端の臭いを気にしながら凍った道をトコトコと歩いてゆく。犬は寒くても元気である。


上田電鉄 中塩田
α77+SONY24-70F2.8T*

中塩田は別所温泉や八木原と共に、擬洋風建築の駅舎が残る。かつては交換駅だったのか、タブレット装置が置いてあっただろう、信号扱い施設の張り出した出窓が目立つ。今は保線基地を除いて簡略化されてしまったが、うねる線路が往時を物語る。


上田電鉄 下之郷
α77+SONY24-70F2.8T*

下之郷は、車庫立地の駅であるが、信濃二宮、生島足島神社の門前町。駅から神社までは歩いてすぐである。神社そのものも、ちょっと今風に言うとアニメチックで朱塗りの派手な神社なのであるが、駅も神社に合わせて朱色を使った派手なカラーリング。この雰囲気には「さなだドリーム」が似合うだろうか。

今年も良い事がありますように。





2018年2月2日金曜日

雪中のロマンスカーを追って

渋温泉に泊まった翌日は駅から撮影できる撮影地で1000系「ゆけむり」を追う。小田急時代、HiSEと呼ばれていたロマンスカーも東京から長野へ来て、もう10年が経つようである。不幸にもハイデッキ構造が災いして先輩格のLSEより先に東京を引退してしまったが、すっかり長野の景色にとけ込んだ雰囲気を感じさせるようになった。

本家の小田急ではいよいよ、そんなLSEが引退となるようで、GSEロマンスカーのデビューに沸いているが、ロマンスカーの余生として長野電鉄は素晴らしい所である。大都市新宿から小田急で箱根へ。文句のつけようの無い世界に発信する日本の旅の一幕であるが、長野電鉄はそのミニチュアのような世界観。

近年、外国人が是非訪ねたい観光地として長野県では野猿公苑の「スノーモンキー」、そして長野市では善光寺が挙がるそうだ。車両も11両から4両へ。大都市東京から長野市へスケールダウンこそしてしまっているが、新幹線も止まる都会の長野から温泉地湯田中へ。新宿と箱根の往復ほどの華では無いが、それこそ世界に発信する観光地への輸送の一端を担っていると言っても過言では無いのが1000系「ゆけむり」なのである。

ちょっと本家小田急のロマンスカーのありがちなショットを意識しながらHiSE「ゆけむり」を狙ってみた。

長野電鉄 夜間瀬
α77+MINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO

駅撮りか駅から歩いていける場所と言う制約の中、撮影地は一発の賭けであるが、順光で湯田中行始発の「ゆけむり」を捉える事ができた。本家で言えば、小田原から箱根湯本へ登坂してくるあたりであろうか。1000系も、ゆっくりとした足取りで急勾配を上ってきた。


長野電鉄 夜間瀬
α77+MINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO

撮影地が選べないという制約の中、敢えて逆光で撮ってみた。本家でもビル群をバックにしたストレートを敢えて完全逆光と言うショットも見られた気がする。背景の賑やかさは無いが、力強い足取りで、雪を舞わせながらHiSEがやってきた。 



長野電鉄 善光寺下-本郷
α77+SONY24-70F2.8T*

新宿を発車したロマンスカーが地下線との合流点の大カーブを曲がってくる。あるいは代々木上原の地下鉄との合流点か。そんなシチュエーションと似ているのが本郷のポイント。

厳密なカテゴライズとは違うが、長野には地下鉄がある。地下線最後の駅の善光寺下を通過したロマンスカーは本郷の手前で地上へと出てくる。やっぱり大都市新宿の迫力とまではいかないが、都会らしい地下線区間の助走から脱して加速して行った。


長野電鉄 夜間瀬
α77+MINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO

おまけで、こちらは東京から長野へやって来て25年が経つ元営団地下鉄日比谷線3000系の長野電鉄3500系。平昌で冬季オリンピックが開かれる今年は長野オリンピックから5度目の冬、20年が経つのであるが、この車両は長野オリンピックが決まり、5年後のオリンピックイヤーに向けて導入された車両である。

木島線や屋代線の廃止や東急からやって来た8500系が長野口で主流となったりで、活躍の場が少なくなったが、8500系に抑速ブレーキが付いていない関係で、信州中野から湯田中の間の勾配区間に入れる唯一の一般型車両であり続けている。



今回は渋温泉で、それこそ本当にゆったりとした時間を過ごした後に、翌日もゆっくりと駅を降りながら長野へと戻ってみた。寒波が連続してやって来て厳しい天気であったが、スローライフな休日を過ごす事ができたようである。