2019年10月10日木曜日

THEブラック企業(4)公共性が高い仕事だから何でも許される

あれは5月だったと思う。1台のトラックが長野市内の路上で止まってしまった。

運転手が脳梗塞になり、運行不能になった。

 前章で述べた同資本、同じカラーリングの関連会社のA社のトラックの運転手だった。この便、長野にて我が社とA社で荷物を取り次ぐ特殊な運行形態だったため、翌日だが同路線を自分が走ったため、荷主でクライアントのY社で騒ぎになっていたので一体何が起こっているのかと、A社の運行管理者に問い合わせてみた。色々と話を聞いたが、運転手は、幸いにも一命をとりとめ、手に痺れが残るもののリハビリをしているらしい。ただ、24時間以内に運輸局に報告しないといけない重大案件だったようである。さて、Y社とした、主に自分が運んでいた荷物の荷主は何かと言うと、近年民営化された大手運送会社Yのものであって自分の場合ほぼ9割5分その仕事のみであった。

 ヤマト、佐川と凌ぎを削るY社は民営化にあたって、コストダウンに熱心で、長距離運送便の委託化を広く進めたようだ。族議員が嘆く利権の剥奪の陰で、笑う人たちも居たのである。そうやって関連会社のA社がY社の仕事を専門に大きくなり、規模の小さい我が社も長野独特の野菜や食品、その他雑貨が多かったものを、Y社の仕事をメインで受けるようになってゆき、恩恵に預かっていた。Y社があの、消防車のような赤い車で有名な直轄のT社に取りまとめをさせ、A社のような会社に競わせ入札させる。どんどん、仕事は解放され、ホワイトな動きをする直轄T車の赤い車は減って、色々なカラーリングな車が有名なあのマークを掲示して走っている事に気づいた方も多いのでは無いだろうか。

 しかしその陰で、多くの仕事を取りたいが為に、無茶な運行が横行した。13時間走ったら8時間休むなんて改善告知は無視に近かった。

「Y社の仕事は公共性が高いから、多めに見てもらっていると聞きました。」

 長野運輸支局に告発した時も、新潟市の北陸信越運輸局で聴取された時も、その言葉を発した途端、監査担当職員の表情は険しくなった。

「元の国営事業だからと言って特別扱いをしている訳ではありません」

「会社はそう言う説明をしただろうけど、やってはいけない事です」

 と始まり、それが公共性が高いから許されるとは誰の発言か?などといった事を中心に。アルコールチェックはしていたか?整備点検はしていたか?それに対して荷主Y社はどう指導していたのかなどといった、運転手としてはあまり詳しく知らないような事まで根掘り葉掘り聞かれた訳である。そして、労基に出したのと同じ、仙台のルートの資料を提出した。労基にて36時間連続運行の指摘がされた資料であるから、運輸でも同等の判断がされるであろうと思われるし、前章で述べたように、運行は継続している。

 結局はY社の監査機能が機能していなかった訳である。監査と称してY社のターミナルでは、輪止めをしているか?積み方は正しいか、危険な荷扱いをしてないかのチェックは良く入るが、運行については全く聞かれた事が無かった。監査と称して委託先を訪れるたり問い合わせるなんて事は皆無だったのではないだろうかと思われる。

 例えばY社のS支社発注の仕事の次にT支社発注の仕事をすると、1運行あたり13時間におさまっているかのチェックはあるのだろうが、その仕事の前にどの路線に入ってようが、一般貨物をやっていようが、どんなに遠くから回送して来ようが、そのチェックや監査は皆無だった。結局、そうやってY社の管轄支社の違う運行を繋げる事によって1日の睡眠時間が5時間に満たないような、東京と長野を日帰りピストンするようなコースや、仙台みたいな往復で1200キロを超えるような工程を二人で表裏でやるような状態が、平常化していたのである。

 多分Y社に取材すれば、うちは荷主としてそんな運行を認めてはいませんと言うだろうし、T社にしても傭車が勝手に違反してやった事と言うであろう。しかしT社の運管レベルは孫請けの我々の面々を直接点呼する機会があり、事情を知っている筈であり、仙台まで片道600キロ、往復1200キロの行程を走って翌々日には長野で点呼する事の不可解さは解っていただろうし、確信犯であろうと思われる。

 何しろ、定期便と言うのは、バスのように出発時間と到着時間が決まっているし、鉄道のように途中や到着ターミナルで他の便に乗り換えるダイヤで密接に組まれていて融通が効かない。違法にならないように契約を取るのは大変なようである。うまいこと13時間に収まる契約の後に8時間以上休んで、また13時間走るような契約が効率的なのだろうが、そんなにうまいこと往復で都合の良い契約というのもなかなか無いようで、規則を守っている会社はだいぶ仕事の配分に苦心しているようである。

 直轄T社のように完全ホワイトな動きをしようものなら、給料は手取りで20万円を切ってしまう。Y社では8トンと呼称するが、大型の13トン車を操り、手取りで30万円に届かないというのは悲しい。それなら地場の4トンで配送の仕事をしていた方が毎日家に帰れるし、効率的である。

 実は、最近まで、知らなかったのだが、実は7月の末に臨時の監査に入っていたようである。労基以上にグズでなかなか動かない運輸にしては速い動きだった。しかし、行政処分はまだ下っていないようである。そういった情報は公益通報者にも伝えられないらしく、京浜急行の踏切にてあの事故があった直後に電話にて長野陸運支局に尋ねてみた。

「大事故の時は即日監査が入るのに、私の告発した案件はまだ動かないですか?」

と聞いて、

「我々も7月に既に入ってますよ」

と言われてしまい、大恥をかいてしまった。

 しかし、、、まぁ。うちの会社の隠蔽体質も見事なものである。県の環境と警察が入っている事を社員に説明していなければ、労基が入った事も、是正勧告が出ている事も知らせてない。仙台の便はやめる約束な事も知らない。運輸支局の監査が入った事は寝耳に水の事である。

 ネットで調べた所、我が社は3年の間に2回の処分履歴があるようで、3年の断面では3回目になるような臨時の監査である。前回は群馬県の営業所が労働局長より通報され、70日/車の運行停止処分を受けている。大抵、倍、倍で処分は重くなるし、前回、群馬で指摘されたような内容の事を殆ど改善してなかったようで、同じ内容で処分される場合は特に処分が重くなるようだ。

 今年最大の話題だった関東西部運輸の事業免許取消がセンセーショナルであったが、台数のある大手でも「やる時はやる」という運輸局の意思表示であるだろうから、しかるべき処分が下るであろう。なにしろ運輸局の処分は大事故でも起こさない限り遅い。

 年内に処分が下るかどうかといった所だろうが、140日/車の運行停止あたりが想像される。緑ナンバーの営業車の運行停止とは、ナンバープレートを外して返納して運行できなくしなければならない。今は厳しくなって140日の運行停止について、1台の車のナンバーを140日外して返納しておけば良いだけではなく、台数の指定が来る。割合の計算式はあるらしいが4台運行停止となったら4分の1の35日で済むが、営業に与える影響は多大である。ましてや365日休まない定期便をやっているのだから、営業停止が1日でも来たら困る筈である。

 営業停止とは一部の車の運行停止と違って、指定された日数の営業一切ができなくなる。今回は法定3ヶ月点検を全車やっていない事も発覚しているから、それも前回群馬で指摘された話。営業停止が来る可能性も高い。そうなると定期便を請け負っている会社としては代替手段が無く厳しい状況になるだろう。

 ちなみに社員に一切知らされていないし、資本は同系列だが違う会社なので、元請けA社の方は運転中に脳梗塞を起こすという労災事故を起こしたため、何やら内紛があったようで、極端に運行本数が減り、車庫で動いていない車が増えているようである。噂では適法に運行するようになったら給料が下がったため、社員が大挙として辞めたと言う話も聞いたが、あくまで噂話。隠蔽体質だから、向こうも長野でこんな話になっているなんて知らないだろう。なんせ我が社はともかくA社やT社にまで波及しかねない重大な処分が下りそうである。大元のY社は保険部門の不祥事で大変なご時世、昔で言う運輸省と仲が悪かった関係であるから、ここぞとばかり、動いて来る可能性が高いと思われる。

 以上が身を持って体験している、不祥事の現況である。まだまだ行政の調査は継続中だから今後はどうなるか分からない。世間の注目は殆どないようであるが、行政処分が下ったらどうなるであろうか?

 今回は労働局の動きが思ったより良く、行政処分も次々に出ているし、次なる手もあるようだ。殊勲賞ものであるが、他の役所も手をこまねいている訳ではない。こうやって説明してもなぜ違法なのか、何故騒ぐのか、なかなか理解が得られないようであるが、長野の自然豊かな山中に大量の埋設産業廃棄物が放置されている事。「公共性が高いから」という旗印であのY社の運行のデタラメがまかり通ってしまっていたと言う事を世間皆様に周知していただきたく、4話にわたりお話させていただいた。

Twitterアカウント@rokusuke185では随時つぶやいている他、続報がまとまり次第、当ブログでも報告したいと思う。



最後に

8月まで在籍していた会社の責任者が社会に一切謝罪をしておりません。在籍していた元社員といたしまして、社会の皆様に、多大なるご心配とご迷惑をおかけしている事をお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした。

-----Rokusuke_S

2019年10月9日水曜日

THEブラック企業(3)強い労基が帰ってきた!


「労災ですか?なかなか認められませんし、こんなに条件厳しいですよ。」

「長時間労働ですか?運輸業は特認になってますから、そんなに時間は行かないんですよね。」

労働基準監督署とは、こんなやりとりから始まった。今回の相手は手強そうだから可能性のある公益通報は全部やる事として、その一連の流れで労働基準監督署を訪れたのだが、本当に落胆するというか、ガッカリするような内容だった。勤務先から理不尽な事をされて労基に駆け込むも、ガッカリした方も多いのでは無いだろうか。今回もご多聞に漏れず、監督官は労災も運輸担当もそんな感じで端からやる気ゼロ。

しかしそれは20日程した、ある日の事だった。Dr.S氏から電話があって

「今すぐ長野労働局の監督課に電話して!」

というので、半信半疑で労働基準監督署の上級官庁である長野労働局に電話すると大慌てで、

「すぐに調査します!」

と平謝りの様子。数日後、上田労基に直接出向くと、担当監督官は不在だったものの課長のS氏が出てきて、

「ちゃんと対応いたしますので」

とこれまた平謝りの様子。

 結局は数の問題である、一人で吠えると真実味が無いのである。個別案件が複数出てきた所で、調べもしないうちに、「運送会社なんて特認ですから出ないもんだよね」なんて言ってしまった事が問題となったようである。

 前回の反省もあって、給与明細は全部用意しておいたし、勤務の証拠はできる限り残しておいた。だが、そこは運送会社、日報とGPSデータ付きのデジタルタコグラフは2年分は保管してある筈なので、

「自分の名前で入っても良いですから調べて下さい!」

と言って、調査が入る事になった。これ、会社の仕返しを恐れて匿名で入るのでは、ざっくりでなかなか出ないものである。それで悔しい思いをした人も多いと思う。しかし、もはや、辞める覚悟で自分の実名の指名でやると凄く効くらしい。事実、凄く効いた。しかも同じような個別案件を2名で同時に通報したものだからたまらない。

「俺が居るうちは何も怖く無い。ホコリ一つ出ないだろうから、労基でも運輸でもどこにでも行けばいい」

これは所長の弁であるが、まぁそう言うなら話して見ようかと、労基に行ったのである(実は運輸にも行っているのだがそれは次回)。

で、労基は基本、最初は立ち入り調査をするが、その後は「呼び付け」である。つまり出頭を求められるという事である。2年分の日報とデジタルタコグラフのデータの提出を求められ、責任者は定期的に呼び出されて、解析が始まった。

しかし、解析が始まるも、よくもまぁ、こんなのが許されたものかと思われる、監督官も呆れる無茶苦茶な運行ぶりが、どんどん露呈してきた。結局は連続拘束時間が36時間という判定。月の残業時間は自分は「休日に写真を撮りに行きたい」とかワガママをこいて月に3日「も」休んでいたので以外と時間外労働は出ずに、それでも70〜80時間。但し、

「多い月には36協定の115時間を超える労働も認められました。」

という話であった。

ここで、労働に詳しい人は

「ちょっと!」

となるだろう。

「36協定が115時間ってナニですか?」

っていう状態だと思う。まぁ、そこが運輸業が運輸業たる所以なのである。人の命を預かるような仕事なのに、特認になっているのである。結局8月上旬に私の是正勧告。連続して9月上旬にDr.S氏の是正勧告が連続して出される事になったが、個別案件はお互いに知らないという事になっているので、私の場合。

総拘束時間違反 連続36時間
1日の拘束時間16時間以上
48時間断面での1日の拘束時間の1日平均が9時間超
13時間走った後の休憩時間が8時間に足りない>結果36時間カウント

といった違反が指摘され、残業代についても1週間の断面で40時間を超えた分を支払っていない件が指摘された。

しかし、まぁ、普通の経営者なら労基が入った段階で、ビビってしまう筈である。ちなみにこれは県と警察が入っている産廃と同時にやられている訳で、経営基盤の弱い社長さんだったら首を吊りかねない案件である。しかし、雇われの社長や営業所長では責任感が無いのだろう。所長が労基に呼び出されるのは当たり前、社長も週1回のペースで東京から上田まで呼び出されていたようで。


つまりは、役人風情が何を言う!
納得がいかないっていう事でしょう。


 序章に書いた通りの呆れた顛末である。総拘束時間36時間が指摘された、仙台のコースは、労基の監督官から私への説明では

「仙台はやめる方向で話が進んでいるようです。」

 と報告を受けたが、現役の仲間からは、9月の段階では、全く是正されれず。10月になった段階でやっと、裏表で裏側を同資本の別会社(つまりは会社は別でもトラックの塗装やロゴが同じ会社)にやってもらう事にして「半分になった」との説明。結果は何も変わって無いのである。詳しくは次章で述べるが大手運送会社の定期便の傭車なので容易に解約できないのである。そして定期便なので365日毎日あるので、半分にしたところで、運行ダイヤを変えていないので、結果的には何も是正されていない。言い逃れに過ぎないのである。

 もうここまで来ると、最初に述べたような、やる気の無い監督官の姿は見る影もなく、鬼の形相である。労災担当の監督官も黙って、労災の申請を受理した。半年でも1年かかっても追求する構えである。そして近々に有り得る次なる手は刑事訴追である。そう、労基の監督官は司法警察官であるから、「いわゆる警察官」を通さずして、訴追できるのである。

しかし、、、、、、、まぁ、、、、、、呆れるのは。

労基に訴追されて有罪になっても、在宅起訴がせいぜいで、だいたい略式で100万も払えばいいんでしょう。

的な反応のようで。

はぁぁぁぁ。

強い労基が帰ってきてもこれかと。

しかしこれでは終わらない。労働基準監督署は今後も継続して監督すると同時に、労働局長より北陸信越運輸局長宛てに通報が行くのである。次の話は、事業免許が関わる運輸局ステージである。




2019年10月8日火曜日

THEブラック企業(2)300枚、掘削調査権の壁

 「300枚」、「4トンダンプ2台」

 何の数字であろうか。長野県に情報公開請求して取り寄せて手に入れた、立入検査の結果、焼却して埋めた物の枚数と量である。情報公開の資料は実は誰でも取れるから、長野県庁の情報コーナーに行けば15日以内に公開の可否の通知が来て、申請から20日前後で入手する事ができる。公文書が無い物は調査が行われていないという事、公開できないという事は公文書は「有る」という事で有るから、「非公開」という結果が出てもそれはそれで興味深い物で有るが、「一部公開」という結果であった。

 入手した文書の中で興味深いのが、復命書、立入検査記録簿、事実書であった。復命書、立入検査記録簿は行政の立入の結果と今後の方針を示す資料、事実書は違法行為を行った者に、行為の内容と今後の是正を約束させた念書である。書かせた事実書と今後起こる実際の様子と違う事は集中して調べるとの事である。





 全く情報公開制度っていうものはお約束どうり運用されているもので、公開できない、個人の氏名とか、住所、電話番号、メールアドレスは黒塗りされているが、法人名や役職名は黒塗りされていないから、誰が言ったか事か容易に想像できて面白い。ここに載せてあるものは、行政の文書に独自の判断で更に黒塗りを加え、ボカシを加えたものであるが今回の事件のものである。高精細な物が欲しければ、長野県庁に行けば早いが、各地の出先機関の地方振興局やFAXでも申請できるそうである。特定厨の人は申請して見ると良い。

 しかし、どうであろうか、書類を読むと木製パレット300枚を幅4メートル、深さ3メートルの穴に埋めて平成28年から令和元年6月までの間に燃やしたと記載されているが、果たしてパレット300枚がその穴に収まるのだろうか?そしてその穴があるとされている位置は自分が見た場所とは違う場所だし、自分が見たものはもっと大きいものだった。

 焼却廃についても撤去計画が示されており、ダイオキシン検査の後、運び出す事になっているが、令和元年8月31日までに終了する計画で提出されており、0.45のバックホーを使って掘り、4トンダンプ2台ほどの量であるとの計画である。ちなみに焼却穴を掘ったのは0.25のバックホーであった事を付け加えておく。

 ダイオキシン検査も試料を被疑法人側の人物が、某工務店に持ち込んだようであるが、そこから長野県の環境調査を行う公益法人に持ち込まれ、そこからさらに京都府の業者に持ち込まれて検査が行われた。環境基準の3ng-TEQ/gに対して試料から検出されたダイオキシンは0.10ng-TEQ/gと環境基準を下回る数値であるが、資料を見る限り、試料の量が20gとなっており、具体的にどの部位から取られてたのか明記が無いし、写真や図面の添付が無い。こんな少ない試料の量で、本当に焼却穴から採取されたかどうか分からないようなもので検査が通ってしまうのか。いささか不思議であったが、結果としては、ダイオキシンは出なかったので、計画どうり焼却灰の除去作業は進行せよとの事になった。

しかしである。

 計画書に記載された終了日の8月31日を過ぎて9月に入っても、そして9月30日を過ぎて10月に入っても一向に焼却灰の撤去は行われている様子が無い。工程表では0.45のバックホーは1週間置いておく事になっているから、そんな物が運び込まれれば社員を通じて私の耳に入る筈である。まさか、見落としているとは考えにくいが、書類上は、たかだか4トンダンプ2台程度だからもう既に搬出されてしまったのかと思い、長野県に問い合わせたが、県の担当者は何も起こって無い風の素ぶりで、ダンマリを通している。全く最近のお役人の失言しない慎重さと付き合うのも大変であるが、そこで、9月10日過ぎに、二度目の公文書を取ってみたら、産廃処理の契約書もマニフェストも出てこなかった。撤去したら埋めもどす前に、整地して良いか、県の調査を受ける事となっているから、県の調査の報告書もある筈である。つまり、手付かずだという事である。

 ちなみに6月下旬に同時に指摘された、500本ほど放置してあった大型車用の使用済み古タイヤについては7月中に契約が結ばれ、8月上旬に撤去が終わり、マニフェストのD票、E票まで戻って来ているので、いかに焼却灰の撤去が難航しているかが分かる。計画ではダイオキシン類の処理もできる長野県では唯一と思われる飯山市の業者が最終処分を行うという事になっていたのであるが、これは憶測であるが、事件性があるし、その量では済まないだろうみたいな注文がついてしまい、契約が結べない状態にあるのでは無いのかと推測される。そうなると、長野県内の業者では無理で、全国区で探さねばならず、完全に手戻りである。

 推測はともかく、問題は、焼却灰という、ダイオキシンの含有の疑いがある物が、最低で4トンダンプ2台分、推測では10トンダンプで何台になるか分からないような量が命令の期限を過ぎても地中に放置されており、警察も長野県の環境も、掘削調査権が無いという壁に阻まれているという実態である。

県の資料には、調査、権限の限界という、泣き言とも取れる一文があったりするし、警察は一切内容を喋らない。どういう手段で検挙するのかはまだ、想像もつかないという事のようである。ちなみに、長野県の産業廃棄物の不正処理で検挙される例で意外と多いのが、伐採した樹木の焼却であり、そのような物をたかだか15kg燃やしただけでも罰金刑となっているようである。10トンダンプ級の焼却灰は出ないとしても、すでに現認されている4トンダンプ級の焼却灰であっても、今後の捜査が警察に移った時にどうなるか?命令に従っていない現況をどう加味するのか。非協力的だったり内部通報者が居る場合は量刑は満額に近くなる。ちなみに満額は、法人で罰金3億円、責任者個人に1千万円である。その他、廃棄物の処理費用は別途である。


次回は、同時に進行した労働基準監督署の話題をしようと思う。あのグズで動かない労基が労働局も巻き込んで大騒ぎした話である。





2019年9月14日土曜日

THEブラック企業(1) 序章

 ここにこんな口調で再登場するのは何年ぶりであろうか。長野に移住してからの消息がイマイチ掴めていない人も多かったと思う。何しろ再スタートして独立するための資金を稼ぐ事を目標に自然豊かな信州の魅力を伝えていければと思っていたのだが、今度の会社はそれなりにお金はくれたが、本当にブラックな会社で信州の自然を楽しむどころか、休む暇がなかった。そして違法企業だった。そもそもブラック企業とは違法な会社の事である。

「ロクスケ君、警察に捕まっちゃたよ。困ったな...。」

 その衝撃的な言葉は埼玉で自営業する仲間からの相談というか報告であった。何でも、ある日突然、刑事が2人で現れ、捨てた覚えの無いゴミの写真を見せられ、廃棄物の処理および清掃に関する法律に違反する容疑、つまり廃棄物処理法違反で警察に検挙されたそうだ。幸いにも拘留はされなかったものの、警察署にて記念撮影をし、DNAの検体を取られ、在宅にて起訴され、罰金150万円の決定が下った。つまりこれで立派な前科者である。彼の場合、信用のおけない産廃業者に産業廃棄物の処理を委託したばかりに、河川に不法投棄され、ゴミに身元が分かるものが混じっていたため検挙されてしまったようだ。事業系のゴミの処理にマニフェストは重要である。

 しかし、それにしても今の自分の勤めている会社の現況はどうか?と考えるようになった。この会社は入社以来、3年に渡り、自社所有地とはいえ、バックホーで穴を掘り、盛大にプラスチックゴミを焼却し、覆土していた。そもそもそのゴミは一体、何処から出てきたのか?何故、運送会社がゴミを燃やすのか?まぁ田舎の運送会社がやっている事だから、これくらいは目をつぶろう。とにかく目先のお金を稼ぐ事に集中していた。

 ところが、埼玉の仲間の検挙の話を聞き、しかもその後、罰則が強化され、法人として違反すれば法人に罰金3億円、責任者個人にも1千万円の罰金を課す事ができるようになった。この強化された規定の中で果たしてこの人たちは一体どうなるのであろう?そしてそこに勤務して給金を貰う事の自分の社会的コンプライアンスはどうなのだろうか?と考える事となった。

 そして、崩壊の序曲は突然やってきた。突如としてB社員が、自分と元社員のDr.S氏が共謀して、「ゴミで会社を潰そうとしてる」などと騒ぎ出したのである。全く、根も葉も無い事がよく出てきたものだと思うが、じゃぁ、出る所へ出てやるかと、関連する行政機関に相談というか、もはや公益通報したら。出るは出る。気持ちいいほどに行政が興味を示した。長野県環境部資源循環推進課、長野県警生活安全課、長野県労働局、北陸信越運輸局、そして.....税務署。

 行政が入って2ヶ月、それなりに処分が始まったが、開き直っているのか、埋めたゴミはもう元に戻せないからなのか、一向に是正される気配が無い。前回のブラック企業では、動かせなくて苦労して涙を飲んだ労働基準監督署も上級機関の労働局まで巻き込んだ形で、是正勧告が出たが、呆れた態度で食い下がって、直す直すと行って是正する気配が無い。もっとも労働基準監督署は勧告だから.....。その代わり、不服を申し立てる事はできない。そこも知ってるのか、ほんとうに嫌な人たちで、時間外労働が115時間超出たり、改善告知違反、未払い残業まで出たのであるが、開き直った態度である。

 こういう話になると皆が気になる未払い残業代がどうなったのか?その部分だと思う。例えば、月に2万出たとして2年遡求と労基は言っていたからおのずと、金額は期待するものであるが支払われた金額は如何に?言える金額であるw。10万円という内容がよく判らない金額が振り込まれていた。「とりあえず、粘着厨の乞食に手切れ金として情けで恵んでやるから、後は訴訟するなりなんとでもしろ!」という事とうけとった。Dr.S氏なら、要らないといって返す所だが、ほんとうに困っているからとりあえずは頂いておいたが、何のお金だったのかは今後精査して行こうと思う。全く呆れる話であるが、こんな違法企業は在籍している事が恥ずかしいので、退職届に「貴社違法行為のため」と書いて内容証明郵便にて送付して退職した。

 さて、何故、産廃から労働に急に話が展開したかというと、産業廃棄物を自社地に埋めるような会社は、人の使い方も違法であるという事である。肝心の産廃の方はどうなっているのか、それは次回以降に詳しく話ていこうと思う。
 
















2019年7月29日月曜日

115系の夏、新潟の夏。


 今年の梅雨は長かった。別項のとうりストレスがたまるような事が続いたので、とりつかれたように新潟の115系を追って見たが、情景写真により過ぎて編成美が逆に足らないかなぁとも反省してみた。
 しかし、なくなるなくなると言われつつ、新系列のE129系の製造が一度止まっているようで、若干の時刻の修正はあったものの去年の運用のまま運転されているようである。令和になって最初の夏。昭和車の115系も、まだまだJRで活躍しそうである。


2019July22
信越本線 柿崎ー米山
α7III+MINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO
f/4 1/1000 ISO400

早朝、信越本線に1往復だけ残る快速列車。通勤客を乗せてリバイバル弥彦色がやってきた。まだジトジトした天気でハッキリしないが、背後は黒井か直江津か。山がグラデーションになって見える。




2019July28
越後線 刈羽
α7III+MINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO
f/5.6 1/800 ISO200

台風一過、いよいよ強烈な暑さが新潟にもやってきた。曇りがちで太陽光線は弱いものの、うだるような暑さ。望遠で覗くと陽炎が出るようなコンディションの中、柏崎行のキムワイプカラーの115系がやって来た。一人少女が乗る。夏休みだろうか、今日は私服でお出かけ。車掌が手を出しているのは定期券を見ているのだろうか。そう、3両編成の115系は車掌が乗務している。
「この辺のも昔の電車は車掌さんが乗ってたんだよ」
なんて言われる日も近いかもしれない。



2019July28
越後線 出雲崎ー妙法寺
α7III+MINOLTA80-200F2.8HIGHSPEED APO
f/13 1/50 ISO100

梅雨明け宣言!。順光浴びて、緑の田圃をキムワイプカラーが疾走する。新潟の緑にはこの色が一番似合う。



 2019July28
越後線 粟生津ー分水
α7III+SONY24-70F2.8T*
f/4.5 1/1600 ISO100

夕刻迫る弥彦山麓をゆく。ひと昔前までは「また青か....」などと言われて嫌われた色であるが、リバイバルカラーが増えたおかげで1編成となり、「JKワイパー」などと言われて希少視されるようになった。稲は出穂して花粉がついているようである。GWに田植えをしていたのだから8月も末になれば刈り取りの季節の雰囲気になってくるであろう。




2019July29
越後線 青山ー関屋
α7III+SONY24-70F2.8T*
F5.6 1/1000 ISO100

新潟市内まで足を伸ばしてみて、関屋分水の所の橋から側面を撮る。台風の後で関屋分水路は茶色く濁った色をしているので、なるべく水面を少なく切ってみた。空は青いし、堤防の向こうは海のブルーである。内陸を走っていて海が見えない越後線であるが、もしかしたら一瞬だけ海らしきものが見えるのはこの橋梁だけではないだろうか。










2018年8月31日金曜日

夏休みを振り返って


活動の場がSNSベースになってしまい、Instagramを始めた関係で写真もそちらが中心になってしまうと、ブログの更新がいよいよ少なくなってしまったが、ジックリと表現するメディアとして、ブログはまだまだ存在意義が大きい。
Instagramはすぐに人気評価がでて面白いのであるが、旬をすぎた画像はどんどん過去帳の奥に入って行ってしまうのが難点。腰を据えて写真を厳選するのはブログの味かな。撮りためてから書くような廃りるになってしまったが、今年の夏を振り返っていくつか。

撮影ボディがα7IIIに変わった時期と重なったのであるが、ニューボディのポテンシャルを感じつつ、新しい環境に慣れてきた時期の写真。


小海線 野辺山-信濃川上
α7III+SONY24-70F2.8T*

川上村のレタス畑をゆくHIGH RAIL1375。山の天気は気まぐれ、八ヶ岳連峰と夏の雲がタイミングよく姿を現してくれる日はなかなか少なかった。撮影中、作業している青年と話したら、神奈川からアルバイトに来ているとの事。冬場は仕事が止まる高原野菜。夏に絡むシーズンだけで3毛作も行う場所もあるとの事で、ここで育っているものは2毛作目との事であった。


小海線 清里
α7III+SONY24-70F2.8T*

昔から隠れた定番地、清里駅へ向かう所の踏切。ムーブメントがピークだった頃は踏切を渡ってくる人並みとレンタサイクルの渦が撮影主題だったが、今もタイミングが良ければ人混みが現れる。列車も増結され、長編成となっている。昨今は自動車で来る人が多いが、列車での需要も健在で休日は「八ヶ岳高原列車」の愛称のキハ110系車両が小淵沢との間を往復輸送している。

ちなみに、同じ八ヶ岳高原に分類される野辺山や川上村は長野県。JR最高地点を過ぎて、清里や甲斐小泉は山梨県となる。自動車のナンバーも山梨ナンバーとなるが、この季節は圧倒的な県外ナンバーで埋め尽くされる。


小海線 小淵沢-甲斐小泉
α7III+SONY24-70F2.8T*

大カーブをゆくハイブリッド車両のキハE200。大カーブは順光となる時間が短く、基本的に逆光や半逆光となったり、雄大すぎて構図が難しいところ。ベタな所のようで雄大な山をバックの構図を撮るには通わないと厳しいかな。ここは山梨県。東信からだと大きく回り込んだ先なので、近いようで結構距離があって、なかなか通いずらい所。


篠ノ井線 平田-南松本
α7III+SONY24-70F2.8T*

ようこそ高原都市松本へ!

諏訪湖を過ぎ、塩嶺トンネルを抜けて塩尻、エプソンの工場が林立する広丘を過ぎ、松本市内に入ってくる。南信地区の郵便ターミナルの松本南郵便局をすぎると、オイルタンクやコンテナ貨車が群れる南松本駅の長い構内を経て松本に到着する。

今年の3月にスーパーあずさ一気に置き換えたE353系であるが、増備が進み、E357 系で運転されている「あずさ」や「かいじ」の運用にも入りはじめたようである。側面から見た窓回りデザインが独特の同形式。信州の景色にもマッチする。新しい顔になりそうだ。



北陸新幹線 軽井沢-佐久平
α7III+MINOLTA 80-200 F2.8 HIGHSPEED APO

さわやか信州~。高原の爽やかな風を切ってE7系がやってきた。

ものすご~くベタな所で、ものすごくベタな物を撮ってみる。新幹線撮影地をあちこちロケハンしてみているのであるが、ここはお気に入りの場所のひとつ。紅葉すると非常に綺麗なと所であるが、緑深い季節はベタすぎてうっかり忘れそうだ。

E7系は好きな車両のひとつだ、奇抜な色彩のE6、E5系はJR東日本の新幹線の花形だがE7(W7)系はポストE2系として、安定の標準デザイン。白ベースのカラーリングがボディマウントを強調して縦長の印象。

上越新幹線用の増備も決まって、長野を通過する新幹線からE2系が消えて久しい感じになったが、今度は第二世代のオール二階建て車、E4のMaXの去就が気になるところ。系雪深い場所へ向かう列車はE7系列に集約されそうである。

しなの鉄道 小諸-滋野
α7III+MINOLTA 80-200 F2.8 HIGHSPEED APO


小諸の市街地を発車してきた115系。「なつかしの車体カラー」と称してリバイバルカラーを次々に送る、しなの鉄道であるが、JRからの譲渡車として、塗装変更を省略した仕様感が強かった、通称「あずさ色」の115系であるが、このカラーリングは1編成のみとなり、この色も「なつかしの車体カラー」にラインナップされている。

午後3時を過ぎると斜光線がキツくなってくる。まだまだ日の長い季節であるが、お盆をすぎると日差しも空気も、どことなく秋の気配がしてくる。

長野に来て3回目の夏が過ぎた、右も左もわからないまま過ぎた1年目、やっと写真活動がはじまってロケハンをし始めた2年目。まだまだ信州の魅力に振り回されてている感が強いが、次の季節、3回目の秋はどんな景色が撮れるか、楽しみである。


2018年7月30日月曜日

坂城町の千曲川に掛かる大型のRCコンクリートローゼ橋を訪れる

スズキのバーディに乗っていた頃だからもう10数年前。埼玉から原付で遠くまで行こうと言う企画での目標地点がこの橋であったのを懐かしく思い出す。

坂城界隈を散策していると非常に気になるこの橋。国道18号に面しているのですぐにわかる。昭和橋。

RCコンクリートローゼ橋というカテゴリーらしいが、つまりはコンクリートでできたアーチ橋の一種である。現在ではコンクリート橋はPC構造のものが殆どであるが、この世代の橋はRCつまり一般的な鉄筋コンクリートによる構造である。PC橋に比べてヒビ割れ劣化が早く、取り壊されたりして現存するものは数を減らしているが大きな河川を跨ぐ大規模なものから、山間の小橋まで長野県に多い特徴的な橋である。

昨今は、一昨年の大ヒットアニメ「君の名は」で三葉の通学路として出てきたRCコンクリートローゼ橋のプロトタイプを探す聖地巡りの方が、ここを訪れる事も多いようである。ちなみにアニメに出てきたものはもっと山間にあるもので小型で欄干の形が違うようで、小諸市界隈のものがそれではないかとの話もあるようだが、つまりはこのコンクリートローゼ橋は長野県の典型的な情景とも言えるようである。



昭和橋は市街地、石油タンク群のある坂城駅から国道18号へ出て長野方、千曲川の方へ向かってすぐである。安曇野市にもこのような橋があるのだが、大きな河川を跨ぐ橋は架け替え対象となってしまう事も多く、また、歩道橋として残っても新橋との距離が異常に近くて撮影が難しい、順光、逆光の問題、そして、水道管など追加設備が架設されているなど、被写体として難しい事が多い。

昭和橋も長野方、下流方面から見ると水管橋と思われるものが、トラスに収納されて架設されているが、展望の良い上流側から見るとオリジナルの姿を良く残している。ちなみに、この橋は南北方向に向かって掛かっているので午前順光で良好に撮影する事ができる。



橋の内部はこんな感じになっている。アーチが影を落とすので独特な雰囲気である。上部に吊り下げられた照明の配線が径間上部渡っているのも独特。夜は更に独特な雰囲気となる。道幅はご覧の通りで、普通車同士のすれ違いもギリギリな感じである。トラックが来ようものならもう...。

前回10年程前、訪れた時は、上部からの崩壊落下物があるようで、劣化したコンクリート独特の危険を感じたが、昨年に長期に渡って閉鎖して補修したようで、補修の痕の白いコンクリートが痛々しいが、だいぶ安心して渡れるようになったようである。

邦画の情景的なシーンに出てきそうであるが、前述のように、最近のものでは「君の名は」で出てきたシーンが有名なようである。




昭和橋遠景、暑い日が続いていたが、サラサラと流れる千曲川が涼しさを誘う。昭和橋の坂城側の入口へは、鉄道の場合しなの鉄道、坂城駅から歩いて15分程。自動車の場合は昭和橋付近の国道18号が狭く停めるスペースがないのであるが、すぐ上流の坂城大橋の坂城側の傍に駐車帯があるので、そこから歩いて5分ほどである。
長野県に多いRCコンクリートローゼ橋の中でも中島武氏が設計し、現存しているものは平成14年度の推奨土木遺産として登録されているようでhttps://www.jsce.or.jp/contents/isan/blanch/4_4.shtml
他に5橋。やはり長野の情景に良く似合っている橋として興味深い。

豪雨の多い昨今、千曲川も大雨の後は茶色の濁流となって姿を変えてしまう。この手の橋は宿命的に洗掘による橋桁の崩壊が心配であるが、いつまでも昭和の雰囲気を伝え続けてもらいたいものである。


2018年7月24日撮影
(いずれもα7III+SONY24-70f2.8T*)