2022年7月10日日曜日

(5)多度津駅〜77番道隆寺〜78番郷照寺〜79番天皇寺〜80番国分寺〜国分駅

 2022年6月9日(木)(1日目)

区切 予讃線多度津駅 7:36発

前回の打ち終わりの4月18日からのリベンジである。今回はこの超細切れ遍路の中では最長日程の4泊5日の予定である。行きは、長野まで特急「しなの」で出て、名古屋駅から名鉄バスで丸亀まで乗車。実は前回も苦労したのであるが、バスの運休が相次いでおり、たまたま発車オーライネットを見ていたら、名古屋〜香川線が復活しているではないか。前回は検索では出て来なかった。しかも運良く早割で予約できたので、4000円と、とても安かった。名古屋までの特急の方が高いくらいだ。乗って見ると乗客は5人のみ。

「これでは倒産してしまう」

まだまだコロナ渦。毎日運行に変わったは良いが先行きは不安である。とにかく黄金の5日間と格安で往復できる手段。ここは秋以降と考えていたが、一念発起、結願まで行ってしまおうと思い四国入りした。ちなみに。心中5日もあるのだから結願しない事はないとは思うが、前回の観音寺の大ブレーキもあって体力もさほど変わらないと思われるので、

「当たり前に結願しない、全てはお大師様のご意志」

と心に刻んで、前回の区切りの地の多度津駅に降り立つ。20年余の四国巡りが、これで最後かと思う一方、意外とあっさりしている朝であった。



前回工事中だった多度津町役場。わざわざこちら側で区切ったので出会えた

新築の多度津町役場を過ぎると、77番道隆寺はすぐそこ。前回、「道隆寺はそっちじゃないよ」とご丁寧に何度もお声がけいただいたが、今日はすぐにたどり着いた。確かにここは観音寺方面から歩いてくると、分かりにくいかもしれない。

77番道隆寺
7:50着
8:20発


今回は気候が良い季節だったからか、お接待が多かった。歩き出していきなり自転車のご婦人から飴をいただいた。お手紙を見るにどうやら、カトリックの方のようだ。異教徒の方でも、こうして御大師様のご縁を大切になさり、一日一善で用意されているのだろう。讃岐のここまで来ると、我々が同行二人で長い道中を歩いて来て、いよいよ結願が近いという事もご存じのようで、とても有り難い。

道隆寺を過ぎると一旦、今日の宿の丸亀を過ぎる、なんでこんな所に宿をと思うだろうが、前回のブレーキ、予讃線があったから助かったようなもの。アパホテルの安いプランを発見したからであるが(結局鉄道での往復と食事を考えると遍路宿の方がユックリできるのだが)どうもこの手の打ち方の方がシックリ来るようである。今日の目的は国分寺まで行くことであるが、途中でのギブアップポイントを考え無理な位置に宿を取らない事にした。


チラリと見えた丸亀城

丸亀城をチラリと見て、今日の宿と夕飯をアテにして、丸亀の市街地を歩いて行く。するとおお、出たではないか、番外霊場ジョイフル寺。


何故か吸い込まれてしまう番外霊場ジョイフル


ジョイフル
9:45着
10:15発

感じの良い復刻された街並みをゆく


 久しぶりにここは打っておこうと思い、ジョイフルで食事。しかし、ジョイフルで食べて1000円超とは閉口。今までハンバーグを食べてももっと安かった気がするが。昨今のインフレか。愛媛ステージから有るたびについつい入ってしまうジョイフルであるが、ここでエネルギーチャージを行い、歩き出す。次の郷照寺までは区間距離7.2Km、平坦路。

78番郷照寺
10:55着
11:15発

前回、大ブレーキがかかりながらも、丸亀までは歩けないかと思いつつ、最終日も足が痛く、多度津に辛くも駆け込んでしかも道隆寺を打ち漏らしていたが、当初は78番郷照寺まで打って坂出で終わろうかと思っていたくらいである。ちょっとここの区間、朝から歩いて昼近くなっている事を考えると、どうだろうか。足が健脚なら丸亀は確実、坂出も不可能では無かった気がする。ただ、この先の区切り方、宿の取り方を考えると、大勢にはさほど影響は無かったのかとも思うが。何せ、勇気ある撤退も大切である。

そう思いながらも今回はさほど足がご機嫌を損ねる訳でもなく、今晩はビジネスホテルであるから、打てようが打てまいが国分寺までは行きたいと思いながら歩く。そうこうしているうちに多度津から坂出に出る所で痛恨の道順ミス。郷照寺から出るときは遍路地図にある五叉路に注意である。讃岐は案内札が少なく、道の間違いが多いと皆して言うが、自分もウッカリここで、坂出ICの方へ進んでしまい、慌てて戻る。大勢に影響の無いミスで良かった。Google地図と遍路地図を突合していると、農作業中のおじいさんが手を止めて、来てくれて、親切に道案内ご接待。

「坂出の街はそっちじゃなくて(讃岐弁)すこし戻って、中学校の方にいかないように・・・・」

これまた、讃岐の人は丁寧に、1箇所づつ戻る道を教えてくれた。ちょっと道を間違えたが、ここは何しろ平坦、なので助かった。

「南無大師遍昭金剛、南無大師遍昭金剛、南無大師遍昭金剛」

前回、足の怪我を始めて経験しながらも多度津まで歩かせて貰った事、大きく道を間違えず、大難が小難、小難が無になった事に、感謝しながら歩く。

坂出の街はアーケード街である。遍路道もアーケードを貫いて行く。アーケードを抜けて予讃線を跨ぐと天皇寺はすぐそこである。ちなみにこの予讃線を跨ぐところ、踏切撮りするには良さそうなカーブではないですか。しかも坂出の高松寄りなので、岡山で新幹線連絡するマリンライナーや、予讃、土讃特急が行き交う、幹線。予讃線も電化複線四国では珍しい風景。


遍路歩きでなければ電車が来るまで待って写真を撮りたいポイント

79番天皇寺
13:30
14:00

ここは神社なのか、お寺なのか全くよく分からず、本堂、大師堂、納経所を探すのに苦労した。天皇寺というくらいだから、崇徳天皇に縁のあるお寺のようで、みかけはどう見ても神社で、鳥居の中でまとまっている。解説編を読むと良いのかも知れないがこういう所に足を踏み入れると、夜にスマホを見ると、崇徳天皇とか、廃仏毀釈とか、Youtuberが教えてくれる。なるほどと上手くできたシステムだ。

天皇寺を出てピッチをあげようとすると、

「お遍路さんいらっしゃい」

とお店で接待を受ける。こういう時は呼び込みなのか、無料接待なのか、構えてしまうが、

「冷たいお水にお茶に、カップラーメン如何ですか。」

と来るとこれは受けねばならないと。腰を下ろす事になる。今回は予定がユッタリしているからか、割と雑談をしながらお接待を受ける事が多かった。接待する側も密にならないように、工夫して、無人接待所としたり。こちらは、飲食店基準で、お接待いただいた。今回の旅では何度も聞く話になるが、

「コロナ渦でお遍路さんがゼロになった所から少しずつ増えてはいるけれども、3.11の震災の前には遠く及ばない」

との事である。何せ自分は本来なら緑札でも良いような年季なのに白札である。だから人で混雑している頃を知っているのであるが、お接待しようにも、この陽気のいい季節柄でもなかなかお遍路さんが通らないという事情。遍路をする側からすれば、空いていて歩きやすい側面もあるのだが、地元としてはとてつもない痛手であるようだ。ここでは野宿で歩いている人と一緒になった。そういえば郷照寺に置いてあったザックの人だなと思ったが、テントを張りながら、歩いているという。昔は野辺に直に寝ていたが流石に虫さされが酷く、テントを持ち歩いているという。今日も含めて4日で大窪寺に至る予定だという。同じ行程を歩いている訳であるが、自分が休んでいる間も歩むのだろう。ただ、先人のブログを読むと、坂出付近からは4日という人が多いようで、5日あてている自分は安全パイを取り過ぎなのか。でもこの先、読むと分かるのだが、見事にこの型にはまって、早朝に出て15時には宿に入るという、典型的な遍路歩きをする事になる。白札で恐縮であるが、お礼の札をお渡しして、接待所を後にする。

なんだかんだで15時を過ぎると納経の時間が気になってくる。納経はお参りの後で、自分の場合は、般若心経、ご本尊様のご真言、光明真言、お大師様のご宝号と、一通り、本堂と大師堂で唱えて15分。伽藍の移動と、納経、小休止を含めると最低でも20分はみておかないといけない。一転、朝は門が開いていれば、一通りお参りしてから、7時に納経してすぐに出るという手もあるのだけど、ローソクと線香は7時から17時までというお寺もあるので要注意である。

そうこう歩いているうちに加茂川の駅の所で反対側へ渡る。今日は割と具合は良いのか、野宿氏に追いついてしまった。お互い、疲れているのでジェスチャーで進路を確認し合うが少々ここから国分寺までが複雑である。

通りの多い11号BPに出る。動物注意は良いが怖いマークである。この付近一帯、イノシシが出るらしく、特に80番から先の五色台はイノシシが山から出て来ないようにフェンスで囲まれていたりする。

ここを下へ。飯山は長野県で知れた「いいやま」ではない模様w

一旦、野宿氏と別れて地図どうりに歩くが国道11号のBPを一旦経由する。ここは、川沿いから、一旦トンネルを潜って、階段を上って、車線どうりに左ベタに行くのであるが、讃岐には珍しく、詳しい道順案内付きの看板が出ていた。ここ、11号が高架であり、かつ旧道と一緒に予讃線を超えるので、複雑である。野宿氏はまっすぐに行ったようであるが、翌日予讃線からここを見てみると、旧道から、高架下に入るルートもあるようで、そちらの方がアップダウンが少ないかもしれない。いずれにせよ、あの野宿氏、初回では無いなという感じ。自分も年季が入った、山野袋にボロボロの菅笠。初回ではないように見えるようであるが、年季だけは入ってるけど、この道は初回なのである。

予讃線を超えるところのジャンクション的な交差点を下り、左に曲がると間もなく国分寺。16時着。教科書的だ。今回は疲れは出ているものの、足の調子は良かったようである。いよいよお寺の番号も80番台。ここを打てばあと8寺である。

80番国分寺
16:00着
16:30発

区切 予讃線国分寺駅 17:00

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