2022年7月12日火曜日

(8)三島川之江BS〜65三角寺〜66雲辺寺〜67大興寺〜かんぽの宿観音寺

 2022年4月16日(土)(1日目)

区切 三島川之江BS 6:15

 前回が2020年であるから、今回はコロナ渦で1年が空いてしまった。途中、四国遍路の納経が停止されるなど、とても打ち出る事ができない状況であったが、ο株の流行も落ち着き、新型コロナ予防接種も3回目が終わるなど。地方間の流動はだいぶ緩くなった。

それでもいざ四国に出かけようとすると、肝心の夜行バスの運行が無いようである。便利だった、名古屋からの便は設定が無いようで、東京からの便は週末を中心に設定があるようなので、行きだけ、バスを設定し、帰りは鉄路で帰る事にして予定を立てた。選択したのはパイレーツ。発地は渋谷のマークシティである。徳島ステージでは、「エディ」に乗る時に、今治行のパイレーツを見ると

「あれに乗るのはいつだろうか」

なんて思っていたバスであるが。(前回は名古屋から乗ったので乗らなかったのであるが)いざパイレーツを目前にすると感慨深いものである。目下ご時世、ガラガラかと思ったら、そこそこ満員。次回、名古屋から乗ったバスで拍子抜けする事になるのだが、今回は、造船関係の外国人が戻ってきたからなのか、異国語での会話が聞こえる。ご時世、物騒な雰囲気で、早々にカーテンを閉めて寝てしまい。翌日6:15、三島川之江のバス停に到着。

ここで、伊予国(愛媛県)から讃岐の国(香川県)へ。菩提の道場から涅槃の道場へ移る事になる。

ここは変則的は打ち方、前回、三島川之江BSから伊予三島駅まで歩いて足跡を残したので、ここで前回の打ち終わりの伊予三島駅ではなく、遍路姿で歩いた足跡が残っている、三島川之江BS(バスストップ)

を区切として擬制する。

さて、今回、先人のブログを読むと、快速で進めば、雲辺寺で国を超えて、観音寺市内まで行けるとの事である。しかしながら、海抜に近いここから、三角寺を経て標高900米の雲辺寺をを越えて、また海抜に近い観音寺に戻るというコースで、距離も30kmもある。これは足摺岬まで往復した時以来のタイトなコースになるのではないか。しかしながら、歳の頃同じくらいの先人が歩いているのだから。ここは歩くしか無い。


三角寺へ登る道から三島を見る。
さようなら菩提の道場、伊予の国

BSを出発し、三角寺まで上る。ここ、かなり急な坂なのであるが、思いのほか調子が良く、三角寺には寺が開く教科書的な時間に到着。

65三角寺
7:00着
7:15発

三角寺からは余裕が無い。というかここの下りをいかに快速で下るかで、今日の到達ポイントが決まる。地図で見ると、一旦徳島県に入って池田町。池田PA。阿波池田っていうあたりが違和感があるのだが、そこまででおよそ三角寺から13K。ここに到達する時間で、ケツが決まる。というか今日は、かんぽの宿観音寺に宿を取ってあるのでエスケープポイントが、雲辺寺に上れなければ阿波池田しかも土讃線。あまりエスケープとしては使えない。何しろ歩き切らねばならない。過去に宇和島で夜の10時まで泣きそうになりながら歩いた事もあるから、これは歩くしかないと思い歩き出す。

緩やかな下りで、軽やかに下ってゆく。常福寺の所で8時45分。よし、時速4kmペースを守っている。ここから国道192号線となり、金生川に沿って歩く。阿波池田方面へ向かい高知や徳島へ抜ける車が多いのか、結構車通りの多い道であるが、歩道は整備されてあるので、騒音と排ガスが嫌であるが、歩くには適した道である。

曼陀峠との分岐で9時42分。ここで先人のブログを読むに、雲辺寺を越えて下りるには、ここは遍路道ではなく、境目トンネルで、一気に抜けてしまった方が良いようである(後で考察すると、曼陀峠も舗装道のようなので、この先の急斜面を上るロスを考えるとどうかとも思うが)ここは先人の記録どうりのルートで確実性を取る。


時間短縮で国道をゆく
逆目トンネルは大型車が行き交い怖い

境目トンネルは記事で読んだとうり、かなり際どく、とにかく轟音がひびく、上に粉塵が舞う。大型トラックもひっきりなしでたまらない。何とかトンネルを抜けると一度、徳島県に入る。四国4県ここで接してないのは高知県だったか。何しろ4県の境目みたいな所。


一度、徳島県に入る

下りに転じて歩いて行き、佐野郵便局の所で川を渡り徳島自動車道を潜ると10時55分。2時間で雲辺寺に着けるだろうか。ここから上ろうとすると勾配が半端ではない。まずは凄い急な階段の出現。すると地元のおじさんが話しかけてくれた。

「きついのはここから1時間だから。上にのぼれば、楽だよ」

との事。地元の年配の言う人の事は大概当たっている。1時間急坂を登って、1時間緩坂をのぼる、だいたい並の足で13時といった所だろうか。


佐野からのコースは急峻な坂を一気に300m登る。2kmを1時間と山の見積で歩くと良い

しかし、何しろここの出だしがきつい、遍路地図を見ると距離にして1300米で標高を300米上らなければならない。こういう時に最近のスマホには、GPS高度計機能がついている。確かにここは標高で300m、キツい坂を上りながら時々計測していく、400m、450m、、、、、と息を切らしながらも快速で上る、苦しい。600m。クソまだ舗装路に出ないか、

670m、やった舗装路に出たぞ


きつい坂を登れば天空の尾根をゆく舗装路ここも四国電力の保守も兼ねているのか、鉄塔が沿っている遍路道。徳島から思っていたのだが、何かと電力会社の保守用道路を通る区間も多い。

ちょうどこれは曼陀峠から続いてきた道に出たようである。このきつい上り勾配を上るのが良いのか、曼陀峠を来るのが良いか。雲辺寺には簡易宿泊所があるらしいが、標高が900m後で聞くことになるが、春先でもまだ寒いので泊まるのを断念して下る人も居るらしい。ここの道の取り方は難しい。自分は、無理してでも歩き切って里に下りる選択である。

700mを越えても、舗装路ながら雲辺寺の900mまではまだ200m登らなければならない。先程の道よりは良くなったが、やはりきつい。流石に速度は落ちているが、快速で登っていく。駐車場を過ぎて880m。まだ登るのか。ここら辺で足の具合がおかしくなってきた。とにかく辛い。駐車場からの残りの標高差20mを登り切って。

66番
雲辺寺
13:00着
13:30発

標高が900mあるとだけあって植生が違う。地元の長野で言えば、小諸の方の丘の上だろうか。もっとも長野ではすぐに、人里でも標高1500米とかとんでもない高さになるので、四国は急峻とはいえど、標高はさほど高くはない。(というか長野が高すぎ)。

雲辺寺では人が賑やかだ。どうも快速遍路の競技をやっているのか、サポーターとランナーが登場する時間らしく、ロープウェイで登ってきた、サポーターが、ランナーを送り出している。

「こ、、、、ここを駆け上がって、下るのか」


涅槃の道場、讃岐の国へようこそ

自分も時間がある訳ではないので、納経を済ませたら、次の67番大興寺までの逆算ではおちおちしていられない。67番を打ち損ねると宿をかんぽの宿観音寺に取ってあるので、翌日が凄く損をする事になる。明日以降、身にしみるのであるが、大勢に影響する失敗と、大勢に影響しない失敗がある。今日は実はこれから大勢に影響する部分で大きな得をするのであるが、翌日以降大勢に影響しない、大きな痛手を被る事になる。

さて、足が痛いが、痛いのは上り坂だけのようで、下り坂は、快速で下っていく。自分も決して遅い速度で下っている訳ではないと思うのだが、さっきの快速遍路の人たちが、転げ落ちるような速度で、走って下っていく。

「一体どんな記録を作るのだろうか」

見るからに、小型のリュックを背負っているだけなので荷物はサポーターが持っているようである。体だけならどんなに楽なものか。納経帳と御影帳と教本と地図しか収まっていないが、山野袋は重く首にのしかかり、軽量化しているものの、背負いの着替え、雨具と、携行する水が重い。もっとも水は2Lを背負って出るが、行程、昼をすぎると、1.5Lを消費してだいぶ軽くなっている。

さて、登ってきた時とは逆に、800、750、700、、、と時計と高度計を見ながら下りていく。67番が打てないと諦められるなら、諦めるのだが、数字が悪くない、500、400ときて、こちら側は極端に急ではないが、そこそこ急な道を150mまで下らなければならない。時折聞こえるロープウェイの音にその方角を見ると、歩きの速度から見ると凄まじい速度で「搬機」が空を舞い、下り、そして登っていく。200m、150m

やったぞ、舗装路に出た。

15:08分。67番大興寺までは5kmほど。これは行ける。

この先に民宿青空屋があったが、小綺麗な今風の民宿だったので、15時だし、本来ならここで泊まるのが、賢かったかもしれない。しかし、先へ行ってしまった、これがこの後数日に渡って尾を引くことになる。

150m地点まで下ってからしばらくは、多少の痛みはあるもののさほど不調は感じられなかった。ただ、この辺りに限界点があったようで、ここで休まなければ、いけなかったようだ。岩鍋池を過ぎ、分岐を右に曲がると、平地でも足が痛むようになる。

まずい。

でも後残りたかだか1kmちょっとである。されどこの1kが辛い池の間を抜けて坂を上り、やっと大興寺かと思ったら、裏口で正面は回り込んだ反対側。

聞いてないよと思いたい所、いよいよ足が痛い。

67番大興寺
16:30着
17:00発


大興寺に着くが、まだ階段が見える

16時半を過ぎた駆け込みの時間に辿りついた。同じく駆け込んだ、車遍路の人たちと一緒に階段を上る。

痛い

何だろう。手すりに捕まらないと登っていかない。思い返せば今日はここまで30km程、山のアップダウンを標準速度を落とさずに歩いて来たので、ここへ来て足に来てしまったようだ。

大興寺を打って、17時を過ぎ、後は宿へ行くだけ。先人によれば、ここからが辛いというのだが、同じように歩いたのだから、自分も同じようにきつかった。一歩歩くだけで、ズキっとする痛みが襲う。宿までは4kmほど。途中夕食と夜食を買いにコンビニに寄ったとは言え、宿に着いたのは18:30を過ぎて19時近くなった頃。日も落ち、宿がライトアップされていた。宿に入るまでのアプローチがきつかった事きつかった事。

引きずるような足取りで今日の宿に到着。

区切 かんぽの宿観音寺 18:45










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