2013年1月27日日曜日

さらば ロシニョール エクストリーム 140cm

10年以上愛用したエクストリームスキーを手放しました。



これには数々の思い出があった。10年以上前に確か当時45,000円位で買ったと思ったのであるが、カービングスキー黎明期。小生、15年ほど前に青森出身のG8氏の指導の元スキーを始めたのであるが、最初に買った板はHartの安いエントリーモデルの170cmのカービングスキー。まぁ、今でこそカービングが当たり前であるが、当時は半数以上は「ストレート板」。カービングから入った最初の世代だと思うが、まぁ、それで、そこそこ、「普通に」滑れるようになった。

そして出会ってしまったのがこのロシニョールの140cmの板。当時は通常の長さのカービングか、100cmにも満たないカンジキのようなショートスキーの2局だった時代。140cmという長さ、そしてストックは使わない(当時はそういう事になっていた)というこの不思議な板。滑り始めた途端、「中毒」になってしまった。

何しろ恐ろしい。

身長、175cm65kgで子供用の板に乗るようなものだ。

得意とするのは、圧雪の中級高速バーン。体を倒すと素直に追従する。バリバリバリと音をたて大円弧ターンをする。ここでストックを持っていない手先が地面をかするくらいまで倒すのが快感。かと思えば、小刻みな連続ターン。ド素人でも簡単にできる。そしてあの加速感。最高速を出すと、バタバタと振動し出すのは限界速であると思われるが、そのピーキーさと恐ろしさが病みつき。そして事件が起きた

あれは2002年頃だったか。群馬県はT恋村。友人が勤めるホテルのスキー場にG8氏と遊びに行き、いつものように滑走開始。何しろ青森野郎のG8氏は身長が160cmくらいなのに当時180cmのストレートロング板。(当時のストレート板は身長+10cmと言われていた)。やってはいけない競争行為。リフトを降りた瞬間、加速し出すG8氏。コースはスピードの乗る中級圧雪バーン。出だしで置いていかれた。もう、出だしで置いていかれると、こちらは最高速が出ないので、取り返しがつかない。ただ、奴は左の比較的緩斜面を大回りに下っていった。しかし右側には多少急で凹凸があるがショートカットできるバーンがあった。

「ここだ!」

すかさず右にコースを取り、その凹凸バーンをあろう事か高速滑走。5、6回切り返した所で

「勝てる」

と思った瞬間、左ターンへの進入だったと思う、ほぼ左足だけの加重になってしまい、(これはカービングから入った人の癖だね。内足、外足とか関係なしに体を倒せば曲がるので時としてこういう「逆足」の加重でも鋭いターンをしてしまう)右後ろのエッジが浮き、バーン凸部分を捉えてしまった。長い板では難なく吸収するのだろうが、右足だけが、ひっかかったまま90度ターン方向とは逆に右回転し、右ビンディングが解放された。そして右板を失ったので左横方向の運動エネルギーで、横飛びスーパーマンのような格好で空中に投げ出された(投げ出される格好が間違っていた)。そしてあろうことか

左手をついてしまった。

雪煙を上げて転倒。猛烈な痛み。左手は本来曲がらない方向を向いている。

「肘が抜けた!」

呼ぼうにも、もはや豆粒になってしまったG8氏。何とか必死に右手を振って、後続の女性スキーヤーが助けてくれた。とりあえず。腕は動かさないように、雪で固定し、冷却のため、雪に埋める(慣れている)。幸いリフト下だたため、歩いてレスキューを呼びに行ってくれた。

後は、どれだけ長かっただろうか、10分くらいで到着したと思われるが、とにかく激痛だし、長かった。接近してくるスノーモービルのサイレン音。

「助かったか」

後は、抜けている腕を慎重に曲げ、救護用のソリに載せられ、スキーで牽引されて下って行く。頭まで毛布をかけられているので、どこを滑っているのか分からないが、最後はその滑ったまま室内に入っていったようだ。毛布を取られると。どうやらホテル下の救護室のようだ。そして、ニヤニヤしてやって来たホテル勤務のM氏。しかし、地獄はまだ続く。

「医院まで40分、整形外科は上田まで、1時間半。どうしようか?」

とM氏とレスキュー氏で相談している。結局電話連絡の結果、医院でどうにかなるらしく、M氏の車で山を下った忘れもしない長野原の「さくらいクリニック」に到着。そこで何とか腕を入れてもらう事はできた。ギブスも巻いてくれたので、後は帰って整形外科に行くようにとの指示。

まぁ、結局その日は大前駅前で飲んでM氏の社員寮に泊めさせてもらい、次の日に帰った訳だが。

「もうこんな危ない板やめよう」

次のシーズンにはHartのミドルモデルを購入した。やはり、45,000円くらいで激安モデルではなかったと思う。



しかし、つまらない。普通の板なのである。確かに高速安定性はあるし、切れ味もいい。しかし、あのスリリングでピーキーな「遊び心」が全くない。

結局1、2年乗っただけで、性懲りもなくまたあの140cmの「危ない板」に乗り出した。以来、もうそれ1本である。スノボもやってみた。まぁ、そこそこの斜面を滑って来れるようにはなったが、「面白くない」。

やはり140cmのこの板だ。

やっぱりこの板1本。そして8年が過ぎた。

流石に古い。もはやゲレンデで同種の板は見なくなった。流石にモデルチェンジである。




そして実はバイク事故で滑走はポシャりそうだが、今年、買い換えていた。


とはいえ、ポストエクストリームカーブというとなかなか難しかった。色々迷ったのであるが、

結局、買ったのは、SALOMON SHORT KART120。

ナニやら今は140サイズというのは、レディースの標準サイズらしく、ショートとは言わないらしい。薦められたのは更に短い120。X-KARTという上位モデルの弟分という紹介であるが、X-KARTは10万はする高級品(サロモン的には中級らしいが十分高い)。これはたかだか3万弱。最近は新雪に強く、更にターンしやすいロッカーなるタイプが流行のようだが、実はロッカーの方が安い。ロッカーとは踏んだ時に先端とテールが反る「逆反りタイプ」で最近の流行。どちらかと言うとフリーライド向けの味付けが強いようである。

ここはかなりの迷いどころ。小生のエクストリームと同じ乗り味で、「圧雪をバリバリと連続高速ターンで削って行く楽しい板が欲しい」というリクエストに、同じ長さのHartとかのロッカーより旧来のキャンバータイプのこちらSHORT KARTを薦めて来た。いかんせん短いので、フリーライド色が更に強くなるショート板ではロッカーよりキャンバーの方が直進安定性が良いとの説明なのだが、逆にロッカーではないので、小生の嫌いな新雪はやはり難しそう。フリーライドっぽいスキーよりアルペンっぽいのが良いってリクエストと取られたカナ。まぁ、ジャンプしたり、逆滑りしたりしないし(いちおうソールは両方向向いているが)、そういう事なんだけど。
ジャンル的にはサロモンの長板X-Kartのショート版らしいけど、でもX-Kartはロッカーって事になってない?これはね、明らかに踏むとロッカーのように「反る」のじゃなく、「平らになる」。コレばかりは、滑り比べてみねぇと分からないなぁ。


しかし、、、、、はぁぁぁぁぁ。



滑りに行けないね。



162、140、120こんなに長さ違うんだね。

もうどうせ乗らない板は売りに出しました。結局120サイズ1本で行きます。


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