2020年11月7日土曜日

只見線に柿ノ木を見た

 今年はドローンの飛行時間と練度の熟成に時間を費やしてしまい、なかなか通常のスチル写真を撮る時間がなかった。しかしながら、雪で真っ白になる新潟や、茶色の長野の季節がやって来る前に、ずっと思い続けていた写真が撮れた。


只見線 柿ノ木
α7III+MINOLTA 80-200 F2.8 HIGHSPEED APO

 新潟に仕事で行く機会は隔週であったのだが、只見線は本数が少なく、サボりがちになっていたのだが、一心発起で朝早く起きて、朝一の往復の列車を撮影。もはや去年撮り損ねた段階でキハ40系の時代が終わってしまったのだが、小出口はキハ110になったらなったでこれも、意外としっくりくるようである。
 柿ノ木はただでさえ少ない只見線のダイヤにおいて小出口のそこそこ当時は本数があった場所で1日に3本しか列車が止らない駅であったのだが。青春時代、なんとかここで降りてまた乗る事ができないかと模索したものだった。そんな柿ノ木駅も2015年に廃止となってしまった。最も地元の情報によると、大白川から小出方面へ通学する高校生もたったの3名だそうだ。
 来年には上下分離方式での全線復旧が叶うが、こんな先行細りの状況でよく残すものだと思うが、これからの季節、とんでもなく深くなる雪の季節、県境の峠は封鎖され、時間に正確にやってくる列車は希少な足なのである。

只見線 大白川-只見
α7III+MINOLTA 80-200 F2.8 HIGHSPEED APO

 時間軸は前後するが、柿ノ木で撮る前に、沿線をロケハンしていると、なんだか怪しい大宮ナンバーのミニクーパーが止まっている。向こうもこちらが長野ナンバーのヤリスなので気づかなかったようだがどう見ても奴である。

「Mちゃん?」

 やはりM氏だ。埼玉から只見線専門かのように頻繁に出没しているという仲間うち情報は聞いていたもののまさか、こんな山奥でバッタリ。しかし不思議なもので、実際に会うのは14年ぶりである。そうなると、話に夢中になっている所で下から列車が登ってきてしまい、痛恨のミスショット

「だから言ったじゃ無いですか」

とM氏は毒舌だった。しかしながら現像してみたら、割と悪くなかったようである。WXは小雨でなかなか色が出ない厳しい状況であったが、色温度を上手くすれば、さほど問題にならないようで、まさに紅葉全盛期に今年は只見線に行けたようである。最近はこういう人との出会いも沿線撮影の楽しみにしている。


 ちなみに早朝はこんなものの試運転が行われていたが、情報に疎いもので、線路側にテツが集まっていたので、慌ててカメラを取り出して、撮影。ENR-1000と呼ばれているロータリー除雪機であるが、これ1台でロータリーとラッセルを兼ねる事のできる優れものである。

 ほぼ止まっている速度だったので、なんとかなったが。この車両、大白川に常駐しているが、この図体で、車籍が無い作業機扱いなので、こんな明るい時間に現れるとは。どこで羽を開くか、段切りをするか、除雪の段取りを確認しながら走っているのか、ほぼ停止の状態を繰り返しながら、歩行速度より遅く下って行った。いよいよ、雪に閉ざされる季節の到来を予感させる一コマであった。