うわぁー今日の帰りの機材。JAL EXPRESSボーイング737-800ですな。小生ボーイング787より小型の737の方がカワイイくて好きなんです。機体のシリアルは前輪収納扉の番号からJA332Jの模様。しかもディズニー仕様特別機の6機のうちの1機じゃん。うーーんでも800型は大きいな、もう中型機に近いねって思っていたら
「あのう、、○○様。お荷物の件で少々確認してもらいたい事が」
と声を掛けられた。手荷物として預けたFT817のバッテリーをもう一度確認してほしいと言うのだ。FT-817は手荷物のカバンの中に入れておいたのであるが、バッテリーがニッケル水素なのに、うっかりリチウムイオンと申告してしまったのでその件かと思ったが、思いのほか面倒な事に。カウンターではリチウムイオンの申告でも窓口譲が引き取ってくれたのだが、窓口嬢が上司になにやら言われたらしく、ボーディングがはじまってから、中身を見せてほしいと言ってきた。
「この電池は何ワットですか?120Wまでしか持ち込めませんとの質問。」
「はぁぁぁ?」
という感じだ、面倒くさいが、FT817をだしバッテリーを取り出し、
「1400mAh」
と答えると、
「120Wまでしか預かれませんよと。」
とトンチンカンな回答。
いや、「ワット」じゃなくて「ミリアンペアアワー」、容量の表記なんだけど、ワット数なんて、機器の定格を見ないと分からないでしょ。それもこの無線機はね、バッテリーによって定格が変るの。あーお姉さん相手にこの短い時間に説明が終るのか、面倒くさい。小生も理系が強い訳じゃないので、半分あてつけで、もう電池ラベルを棒読みしてみた。ラベルには、電池の定格が書いてある。でもそれは「W」(ワット)じゃなくて「Wh」(ワットアワー)1時間定格という意味なんだけどね。
「ええと9.5Vで1400mAh1時間定格が14Whですね、先ほどはリチウムイオン電池と言いましたが、これはニッケル水素電池でした。すみませんでした問題なく預かれますよね」
と言うと
「120Wに収まってますか」
とまた、トンチンカンな質問。恐らく上司に120Wの情報しか聞いてないんだろう。瞬間に取り出せる値が120Wといいたいのか、おやいや、それにしても、定格が120Wのバッテリーってどれくらいだと思ってるのだろう。HFの超ハイパワー移動運用でもやるのだろうか。あまり理系の議論をしても時間の無駄なので、
「とにかく、これは手荷物預けに問題になるリチウムイオンじゃありませんし、容量はスマホ並みの1200mAhしかありませんし、しかも露出ではなく、機器にちゃんとマウントされています。」
そういってるうちに、ボーディングは終了し、小生と荷物待ちに。窓口嬢は冷や汗をかきながら上司と電話。これは、FT817のバッテリーを置いていくか、乗り遅れるか、刻一刻と出発時刻が迫って来たが、結局荷物を預かって乗っていいことになった。
FT-817のニッケル水素バッテリー。どうしてこんなハナクソみたいなバッテリーが問題になってしまったのだろう。
しかしそれでも納得できなかったので、着地の羽田の手荷物受け取りで噛みついてみた。一体、どういうバッテリーが持ち込めて、どういうバッテリーが駄目なのか、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチウムイオン、シールド鉛、鉛蓄電池。総て調べて欲しいと言った。すると、窓口氏、しばら書類とにらめっこした後に、
「お客様申し訳ございません、お客様指定のシールド鉛蓄電池だけ解らなくて。」
と表をみせてきた。ちゃんと書いてあるじん。表には、ほぼ全てのバッテリーの扱い方が網羅されており、自動車の鉛蓄電池やシールド鉛蓄電池もちゃんと書いてある。
「防漏型ってやつがそうだよ。ほかのやつもちゃんと表になってるじゃないか。」
どうも理系の知識がないらしく、読み方がわからなかったらしい。全く。高知も羽田も資料はあるのに読解力がなかった。
結局はこうだ。手荷物預かりに問題のあるのはリチウムイオン。それも限度は300Ahつまり30万mAhという莫大なもの。HPには160Whと書いてあるのだが、定格と容量ではまた違うから、多分相関関係があるのだろう。飛行機に乗せる際、乗客が持ってくる物で、よくある案件は電動車椅子らしい。確かに膨大な電力を長時間必要とする。これは外れないように電動車椅子にマウントした状態でないと預かれないらしい。予備バッテリーは、不安定にならないよう、バッテリーの端子カバーを付けた上で機内持ちこみにしないといけないらしい。
それ以下の小さいバッテリーについてはJALの場合ここに事こまかに書いてある。
http://www.jal.com/ja/flight/safety/airport/baggage.html
あとはバッテリーの種類と量、マウント方法によって機長への報告義務があるらしく、これが面倒。
「忘れちゃうからコピーさせてくれ」
と件のA4で1枚ほどの「便利な紙」のコピーを求めたら、「社外秘」との事。WEBに載っている情報とも微妙に違う。WEBには載っていない他の種類のバッテリーの扱いも書いてある(しかしそのほとんどは持ち込み可。不可な量は貨物の域)し、機長への報告とかが事例毎に事細かく書いてあるので安全上、社外秘に値する内容も含まれているのであろう。
まぁ、つまり、我々が注意しなければならないのはリチウムイオン。小型のビデオカメラ用のものとかで、絶縁パック等端子が保護されるケースに入ってれば手荷物で預けても問題ないようであるが。まぁ、駄目なら機内持ちこみらしい。ちなみに、スマホの電池や予備チャージャーもリチウムイオンだが容量も少ないし、コードが抜けていれば端子保護とみなされるので、問題ないとのこと。
しかし、300Ah160Whのバッテリーなんて、いくらリチウムイオンでも腰が抜けるほど重いはずだ。電動車椅子も200Ahくらいらしい。それの定格が高知で言っていただいたい120Wh位なんだろう。これは推測。まぁ、あの資料の上限は一般に流通しているバッテリーよりマージンがあるという事。
小生の場合バカ申告した上に「無線機」と余計な事を言ったばかりに騒ぎになったようで、一般旅行者のビデオカメラ用の予備のリチウムイオンバッテリーなんかは完全スルーしてそうだが、まぁ色々勉強になった。あー国内で良かった、外国だったら取り上げられていた。
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