2009年9月28日月曜日
停車中の電車の音
まずは聞けたらこの音を聞いてもらいたい(10年前の古いファイルなのでRealplayerのコーデックのダウンロードを求められるかもしれません。)
何の音だかお分かりだろうか。
165系のMGの音である。
最近の電車で聞かなくなった音というとMGの音である。MGとはモータージェネレーター、電動発電機とも言うが、今のように半導体技術が発達していなかった昔の電車は、架線電圧の1500Vから車内の照明や機器など200Vの低圧電力を取り出すのに高圧で動作するモーターで低圧の発電機を回すという原始的な方法で行っていた。最近はSIV(静止型インバーター)の普及で新車には搭載されなくなり、また、在来車もメンテナンスの面倒なMGはSIVに置き換えられる場合もあって、聞く機会が減少している。
最近の電車は実に静かになった。冷房を使わない冬場は、コンプレッサーの動作が止まると、
「しぃぃぃん。」
とした実に静かな空間が生まれる。時々
「しゅぅぅ、しゅぅぅ」
と空気バネが空気を放出する音がするのみである。
最も、SIVを搭載した車両も独特の励磁音がしているといえばしているが、MGの音と比べれば格段に静かである。しかし、昔の電車というものは停車中であっても大きな音を出していた。ホームに停まっている電車。電留線に停まっている電車。パンタグラフが上昇し、通電し、「まもなく営業する」事は音で分かった。冷房を使う夏は、これに加え屋根上の旧型の冷房装置がけたたましい轟音を立てていた。
「ブゥゥゥン」
という独特の音を出すMGであるが、冬場等、轟音を出す冷房装置が動作していない時は余計に良く響いたものである。幼心ながらに電車の音として認識しているのは、駅に停車中の電車が奏でるこの音だったりする。
深夜の駅で、夜行列車に乗るとき、
この音を聞く時、
旅立ちの旅情が一気に湧き出してくる。
この音を聞くと「旅にでるなあ」と感じたものである。
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