2009年9月7日月曜日

防火水槽



またまた山形ローカルの話題。鉄道模型にちょっと加えても面白いアイテム。防火水槽。

消防設備ってその地方毎に地域性があって面白いのだが、このタイプの防火水槽も関東ではあまり見かけない。私有地に大きく張り出した構造は地主さんの好意で設けているもので、関東にもあるものだが、これは、赤い給水管が大きく上に張り出しているのが珍しい。やっぱり理由は降雪時の作業をやりやすくする為だと思われるが、関東の防火水槽ではやはりマンホールで蓋がしてあるだけである。

消火活動をする側にとって、防火水槽はあまり使いやすいものではない。その容量に限りがあるのはもちろん、加圧されている消火栓と違って、水を出すのに真空ポンプの動作が必要だし。何より面倒なのは当たり前であるが、使った後に、必ず満タンにして返さないといけないというルールがある事。消火活動が終わった後に、消火栓からホースを延長してきて、満タンになるまで延々と水を入れ続けるという事もしばしばある。
そんなこんなで、都市部においては消火栓に頼るような傾向が見られた時期もあったが、阪神大震災の時に地震でポンプが停止し、水道管も断裂し、消火栓が機能しなくなった経験もあってか、また防火水槽の意義も見直されている。

赤い看板で目立つ設備で、街のあちらこちらにあるので、旅行に行ったときは、地方毎に表情が異なる消火設備を観察するのもまた面白い。

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