小生。高校時代、放送部にいた。当時の会話。小生、ディレクターだったので偉そうに中央のディレクター卓に座り、映像と音声をカメラとミキサー(音声担当)に指示を出す役をやっていた。
「ピークってる!」
「マイクに近いなぁ、割れてる、もうちょい離そう」
などと。ミキサー(音声担当)やアナウンサーに指示を出していた。小さい音声は補正できるのだが、一度、割れてしまった音声は補正できないものだと、体に染み込んでいる。すでにミキサーで補正されて送られて来てはいるが、こちらもVTRの音声パワーメーターを見ながらピークランプが付かないようにRECレベルを調整して、、と神経質になる。しかもあの「NHK式」の背筋を伸ばして、マイクから程よい距離を保って、良い声を出すというやり方。インタビューではアナウンサーと違って相手の声を「制御」できないのでミキサーで絞る。今の大抵のビデオカメラは、音声が「ピーク」って割れないように自動制御している。
で、、、それがなぜ無線の話かと言うと、まず、最初にマイクゲインを調整する。下のFT2000のメーターの写真で見て、ALCと書かれているブルーのゾーンに収まっていれば、歪みのない正しい音声が入力されているようである。
キャリアでパワーが決まるFMはそれでよい。どんなに大声だそうが、静かにしゃべろうが20Wは20W、50Wは50Wである。しかしSSBではちょっと待ったという事になる。自分の声の波形がそのまま電力になるので、蚊の鳴くような声ではパワーが出ない。SSBでは思いっきり大声でマイクに向かわないとパワーが出ないと言われる所以はそこである。しかしそこまで大声出さなくてもそこそこパワーは出ていると「思っていた」。しかし今日、ダミーロードに繋がったFT2000を調整していて驚愕の事実が。
説明書どうりにマイクの調整としてALCゾーンに収まるように、マイクゲインを調整しながら
「こちらJH1PRT、本日は晴天なり」
とアナウンサー声で音声を入力するでもSWRメーターを見ているとピークで20Wくらいしか出ない。
「マジか100W機だぞこれ、、、、。」
ALCがガン割れするくらい
「ジャパン!ホテルワンッ!!!!!」ハァハァ、、、、
と怒鳴ってやっとピークが50W。
こんな大声出したら家中からクレームだ。おかしいと思い、例のウンコが硬くなる取扱説明書を見ると、スピーチプロセッサー(IC706ではスピーチコンプレッサー)を使って平均電力を上げてやると良いらしい。コンプレッサーとは「抑える」という意味だが、電力を上げて歪んだ音声を補正するとか何とか、、、何しろトークパワーを上げる装置。写真左下の「PROC」というボタンを押すと機能がONになる。説明書どうり、自分の音声をモニタリングしながら、歪んで変な声にならないようにダイヤルを回して調整しながら、かつ、電力が出るように調整。
それから尖頭電力。ちゃんとオシロスコープで測らないと「見えない」らしい。試しにプロセッサー無しでも、口笛を「ヒューーィッ」と吹くと、キッチリ100Wまで行っている。これは変調しない音を連続て入力すると100W出力するからである。まぁSSBの通常会話では、SWR計の針は30W位をさしていれば、だいたい尖頭電力で100W出ているようである。スピーチプロセッサーは平均電力を上げる装置で、声を潰して上に押し上げる。んなんで、反応の鈍いSWRメーターでも若干のパワーアップが目視できるようになるようである。
なるほど。これで「NHK式」でマイク入力しても平均電力がそこそこ出るようになった。
そして、、、待てよと思ったのがIC706。当たり前に50W出ているものだと思ったら、計測したらまさかの平均電力10W。
はぁーーーーー。こんなんで何ヶ月も運用してたのか。
パイルには勝てないし、どうりで弱く感じる訳だった。こちらも調整し、プロセッサーを入れれば見かけのトークパワーが上がるように調整した。試しに、内部スイッチを「固定」側にして100Wモードにしてみたら、FT2000と同じく、そこそこの平均電力が出ている。
ワッチしていると
「コンプが強いねぇ。切っても大丈夫ですよ。」
という会話も時々聞こえるから、コンプレッサーを入れっぱなしという訳にもいかないようで、出力制御と対で、シチュエーションによって使うようである。(今更の話であるが)。
うーーん。これ。100W免許でたら、相対的にかなりパワー感を感じるかもしれない。まずはIC706の正規の50Wの感覚を味わおう、、、。
FT2000のメーター部。メーターをALCにして、音声を入力してみてALCゾーン内で振れるようにマイクゲインを調整するのが綺麗な音声を入力するツボなのであるが、そのままではSSBではパワーが出ない。
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