2022年7月11日月曜日

(6)みの駅〜71番弥谷寺〜72番曼荼羅寺〜73番出釈迦寺〜74番甲山寺〜75番善通寺〜76番金蔵寺〜多度津駅

 2022年4月18日(月)(3日目)

区切 予讃線みの駅 7:20発

昨日の大ブレーキから明けて一夜。早朝の善通寺駅。本来なら鉄道を使わず打ち通す所をエスケープしてしまったので、また土讃線〜多度津乗換で〜みのまで戻る。送り込みなのか、朝一番の「あしずり」号が中村行きで出て行く。系統分離になって久しいのに中村ゆきとは珍しい。短い区切り打ち遍路必須の万一の時の離脱手段は考えているが、エスケープを利用したのは、道中初めてかもしれない。よりによって最終日なのだが、一旦予讃線から離れてしまうのが不安である。しかし、善通寺まで戻ってくれば、今度は土讃線が沿っているので弥谷寺から善通寺まで歩き通せれば問題は無い。昨日は昼夜兼用食を食べてから、ストレッチをするなどして、だいぶ痛みは引いて、駅の階段を上る時に激痛が走るという事は無くなったようである。少なくとも昨日よりは具合が良い。

多度津で乗り換えて、みのには7時20分着。ここで、歩行速度を計測しておく。無理をせずに歩いて1kmを15分を切る速度で時間に直すと4km/h。とりあえず大丈夫なようだ。昨日、息も絶え絶えで、みの駅にたどり着いたときは2km/hを切っていたから不安は残るが、善通寺にはたどり着ける予感がする。

昨日の打ち残しを歩いて7時50分には弥谷寺の登り口に着く。

「何だ、この程度か」

と思ってしまったが、この後の弥谷寺の様相とその先道中を考えると、昨日のエスケープが御大師様の思し召しだという事がこの後分かる。

上り口で、12mの大型観光バスが上っていくのが見える。久しぶりである。昔なら

「シマッタ」

と思うのだが。よりによって月曜日。でも遍路ツアーは土日では終わらない事多々であるし。久々に見た団体は喜ばしい事である。今回は彼岸で天気が良いのか。ツアー客が多かった気がする。

弥谷寺は地図で見ると平坦なのであるが、遍路地図に「注189」と書いてあるのが気になる。

71番弥谷寺
8:10着
8:48発

経過時間を見ると分かると思うが、休んでもいないのに時間がかかっている。ここはとてつもない階段が現れた。境内に入ってから100米の上を登るなんて聞いてない。と言いたいが、これは皆さんブログで書いてある。弥谷寺は長い階段が待っている。さきほどのバスツアーの方々は年配のご婦人方で、バスで回っても、この階段はどうにもならず、皆さん必死に登る。そう、車で回ってもそれなりにキツい所はキツいののである。

しかし、伽藍が立派である。階段を上ると岩に囲まれたお堂が出現し、室内にある大師堂から見える遥拝場は荘厳である。やはり讃岐の寺は伽藍が凄い所が多く、一国参りなら讃岐をユックリ回るってのがお勧めかもしれない。

弥谷寺を出て、遍路地図の遍路道をゆく。しかし、ここが、竹のやぶが多くて、道が悪い。しかし、遍路道ではあるようで、踏み固められているので。間違いではなさそうなので、杖で払いながら歩く9時28分には高松道の畔に出た所で、弥谷寺の階段で痛めつけられた足の具合も大丈夫そうなので、最低でも善通寺に辿りつけそうな予感がしてきた。しかしこの竹藪の道が次回後日、五色台での遍路道の選択ミスを誘発する事になる。


竹藪の遍路道をゆく

高速脇からため池の畔を抜け、国道11号を抜けてまたため池を過ぎると、曼荼羅寺である。讃岐は、ため池が多いので、目印にはなるのだが、地図で見るのと、想像が違っていたり、そもそもため池だらけなので、一体どのため池なのか、間違いの元にもなるので、これまた注意。ちなみに今の居住地の長野県の上田市、とりわけ特に隣の東御市が水利が悪くため池が沢山あり、航空写真で見ると凄い水たまりに見えるのだが、香川県は全域にわたってため池だらけで、規模がでかい。さて

72番曼荼羅寺
9:50着
10:10発

曼荼羅寺を打つと出釈迦寺はすぐ上。ここで少々足の具合に注意ランプが点灯し出した。無理が出ないように気になる所であるが。

73番出釈迦寺
10:30着
10:50発

出釈迦寺から讃岐平野を望む
いよいよ結願の地

ここはテンポよくこなす。なんとなく霊山寺からの霊場の連続が短く、発心で、

「こんなものか」

とまずは、油断していた頃を思い出す。寺が多いので、納経料の小銭がすぐに無くなってしまうのも讃岐ステージの特徴か。小高い丘の上から善通寺の街を見ると、いよいよ、讃岐の平野部に来た事を感じる

本当ならエスケープせずに歩いて来たかったのであるが。丘を下って、平地に下り、甲山寺はすぐ。

74番甲山寺
11:30着
11:50発


修行大師
同行二人でどうにか先が見えてきた


本来なら善通寺に12時に入れるかとも思っていたが、やはり速度は落ちているか。これは予讃線沿い、道隆寺に辿りつけるか、金倉寺まで行けるか、最悪の善通寺で落ちる事はなさそうだが。

讃岐平野独特のお椀をひっくり返したような山の平野を歩きながら、甲山寺の裏手は石灰石採掘のために掘られていたりと。微妙な気持ちになる。何せ、山奥の巨大な露天掘り鉱山ながら、見た物はベルトコンベアだけだったが、最大の石灰石鉱山は土佐ステージにある鳥形山の鉱山であるが、讃岐でも小規模な鉱山が結構あって、独特の山も削られているようである。

こんもりした山が特徴の讃岐平野をゆく

甲山寺から弘田川沿いに歩き、工場プラントの脇を抜け、四国こどもとおとなの医療センターの脇を抜けて、善通寺に至る。先人のブログを見ると、讃岐は道が分かりにくいと言われるが、ここのあたり、讃岐ステージ用に最新版の第12版を用意したにも関わらず、遍路地図がほととんどアテにならず。なんでこんな何でもない町中でなんて迷った挙げ句、善通寺の正面に着いた。

横着して横入りするなという御大師様のお言葉だろうか。

75番善通寺
12:25着
12:55発


さすが善通寺。伽藍が巨大だ。



とにかく善通寺は大きい。長野で言えば善光寺だろうか。正面から入ったので伽藍をめぐって、戻ってくるまで、弥谷寺と別な意味で時間がかかる。そういえば、善光寺はご開帳である、これは戻ったら善光寺にお礼参りもしないとかもしれない。そう思いながら、とても広く立派な伽藍を巡って、後にする。

善通寺を出ると、あとはほとんど平坦である。どう歩いても変わらないような碁盤の目を歩き、善通寺グランドホテルの前を通り、土讃線の先を曲がると後は県道25号に沿う。


邦画の一幕に出てきそうな
善通寺グランドホテル

遍路道は例によって、県道の大通りを避け、田んぼの真ん中の道を行くように案内されているが、ここで、讃岐マジック。善通寺ICの真ん中を横切るように案内されているのは良いが、その先が少しおかしい。どうも地図道理に歩けないのでgoogle先生で確認する。まぁ、警戒はしていたのと、県道25号は目視できる位置に見えるので、何しろ少し県道から離れて歩いて行けば良い。

76番金倉寺
14:10着
14:30発

金倉寺はありがちな、ちょっと小さな霊場といった感じであるが、金の大黒様が居る。どうか、お金ができますように。ちょっとここは願かけ。14時に金倉寺に着いて、次の道隆寺を打たないという手は無いのであるが、どうも足の具合が悪く、16時ちょい過ぎが多度津駅の門限。ギリギリ道隆寺を打つと、長野に帰るのに間に合う、最終のマリンライナーに間に合うか微妙な所。ここで、打ち終わりとする事にして、勤行する。ちなみに、その行程、最後のお寺では勤行次第をキッチリと読経して、観音経をあげる。



金倉寺には名前のとおり金色の大黒様が


金倉寺から、道隆寺まで4km、1時間で着く短い道であるが、ここが複雑。途中、讃岐の人は優しい、道を間違える人も多いのか、丁寧に教えてくれる。国道11号をまたげば1本道のように遍路地図には描いてあるが実際には細かい道の右左折が加わり、県道205のBPを超えて豊原郵便局を過ぎ、豊原小学校の前を通れば、道を間違えたという事はなく、もう先は見えたようなものである。

ただ、僕はここで、目的地が道隆寺では無い。多分、お参りして納経すると、長野への終電に乗り遅れる。道隆寺は多度津の駅前しかも進行方向である。こういう大勢に影響を与えな場合は次回にしておいた方が良い。そもそも今回は金倉寺で観音経を上げて納めにしてしまったが伊予と讃岐の国境を越えた上に、12寺も打っているのである。

讃岐の人は優しい、豊原小の先で多度津の駅にベクトルを向けると道隆寺に行くには道間違えに見えるらしく

「お遍路さん、道が逆ですよ」

とか

「まだ5時前だし間に合うのに(讃岐弁)」

と言われるが、ここが区切り打ち遍路の区切る時の独特の雰囲気。

やはり足が悪いのか多度津駅には16時着。やはりここで、歩行速度が落ちた。足の具合が悪い。とても痛く、新しい町役場を建設中の駅裏に出てしまったので、階段を上って駅正面に行かねばならない。ここで階段を上ろうとすると。

「痛!」

これはまずいと思い、エレベーターに乗ってしまう。駅裏に町役場を建設中だけあって、跨線橋にエレベーター完備である。まてよ、、、エレベーターに乗ったという事は、次はこのエレベーターの口から始めないと(三角寺の伊予三島駅先打ちといった反則まがいがある割に、足跡は全部つけるなど、と細かいルールがある)

考察するに、金倉寺からは足が痛くなり、予定より時間がかかってしまったので、道隆寺を打つと最終のマリンライナーにはやはりギリギリで間に合わなかったと思う。ホームに上がると、サンポート南風リレーが来ていたので乗車、高架を走り、坂出で乗換。予定より1本早いマリンライナーに乗れた。

これで今回は、前回と同じく、岡山乗換で、名古屋19時半頃の最終の「しなの」号で長野に戻って日が変わる前に自宅に戻れる。

後日談であるが、この後、疲れたのと足が痛く1日寝込んで、次の日も足が痛く

「肉離れしてないか」

とアシスタントが言うので、送迎付きで医者に行くと、レントゲンを撮らされ、名物医師いわく、

「どうせ、鍛えないで歩いたんだろう、骨は大丈夫。ちゃんとコンディションを作ってから行くように。それからちゃんとストレッチをするとか。もう若くないんんだから、ノーメンテナンスで40kmも歩こうとするなよ」

とお小言

「この前は何だっけ?」

と先生が看護師に聞くと

「小淵沢です」

と看護師。

「たまに、善光寺だの、小淵沢だの行で足を痛めるのが来るんだよな」

との事。そういえば、たまに、善光寺まで歩いている人をみかける、、、、。とりあえず、足の激痛は運動不足だった所、雲辺寺を一気に越えた上に観音寺市内まで歩いた結果だと分かった。本来なら坂出まで行けるかなと思っていたが、多度津で打ち止め。しかし、遍路地図を見るにこの先、平坦でもなさそうだし、足を痛めた割には、大勢には影響はないようである。

区切 予讃線多度津駅 16:00

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