ゴールデンウィークは新緑の只見線(後編)
さてさて、実際の様子とダイヤから只見線のそんな状況が読み解けた所で、会津宮下まで戻ってきた。午後になったらラッキーな事に雲は完全に取れないまでも太陽が顔を出すようになり、帰りの時刻を考えると、3本しかない列車をどう撮るかという問題となった。
まずは会津宮下駅付近の中学校にある八重桜。
左の校舎は体育館なのか、それとも講堂なのか、使用感のない雰囲気である。川口寄りに真新しい体育館が見えるので、もしかしたら、もう使われなくなった建物なのかもしれない。
校庭の端に植えてある八重桜もハラハラと散っている。
遠くなってゆく昭和の残像が一瞬垣間見えたが、木々には新しい葉が吹いている。
只見線 会津宮下-早戸
α77+SONY 24-70 F2.8T* (24mmAPS-C)
ここで一旦手前に取って返して、織戸駅の川口方にある古屋敷のS字へ向かってみる。天候も良くなり、絶好のお立ち台という事もあって、数人の撮影の方も居た。このショットを見ると分かると思うが、本来の古屋敷Sの手前。第一古屋敷踏切付近からのショットである。
他の撮影の方はこれより百メートル近く入った本来の古屋敷S字へ向かっていたようであるが、ロケハンしてみたところ、杉の木の林から出てくるS字は雰囲気は良いのであるが、踏切付近の手前のSの方が新緑の感じが良く出ているので、手前で撮ってみた。
午前のダイヤと車両運用からすると、ユネスコエコパークバージョンのラッピング列車が川口方についてやってくる公算が強いのであるが。
果たしてやってきた列車は通常の東北地域本社色の列車であった。会津若松駅には転車台と扇形庫を擁する会津若松運輸区があるので、このタイミングで運用や検査スケジュールのために列車が入れ替わりがあるのかもしれない。ちなみにあの扇形庫は検査のためか気動車が生首で入っている事もあり、方転されると、車両の方向も変わる可能性もあり、何ともデータで読めない線区である。
ちなみに、先頭車の上に突き出している装置がかなり目立つが、これはどうやら形状からして、NTTドコモの衛星電話のワイドスターのアンテナのようである。只見線車両の独特の装備で、鉄道無線の不感地帯をバックアップする装置である。しかし、正面がちにとると、一瞬、電柱を串刺しにしてしまったかと思うこの嫌なシルエットであるが、中学校で撮った側面のショットも含めてよく見てみると、アンテナの前部に樹木やトンネルツララによる、破損防止用なのか、ガードがついているようでこう見えるようである。
只見線 織戸-滝谷
α77+MINOLTA 80-200F2.8 HIGH SPEED APO (130mmAPS-C)
帰りは国道400号を通して帰る予定なので、川口付近で最後の列車を撮る事にする。午前中、撮影地に足を踏み入れながら、濃霧のため断念した大志集落を只見川の対岸から俯瞰する場所へゆく。会津川口駅の手前から林道を行くのであるが、ここの所の雨で、落石や、路肩の崩落している個所もあって、現況撮影地まで行く事ができるが、路肩が弱くなっており運転には注意が必要な、状況。もしかしたら工事が入るかもしれない。この日も、GW合間の平日だったからか、役場の職員が来ていて、崩落個所の点検をしていた。
さて、今日最後の一枚。実は只見線の山区間は南へ向いているため、午後の方が配光が良い箇所が多いのであるが、ここも何とか晴れている間に列車がやってきてくれた。
只見川沿いの雪深い地域独特のトタン屋根の家の集落を、2両編成の短い列車が、抜けていった。
只見線 会津川口-会津中川
α7+MINOLTA 50mm F1.7 FUJI PROVIA100
さて、もう長らく不通が続いている只見線の会津川口-只見間の残された不通区間の先行きであるが、現在バスで代行されているが、復旧した際の赤字の補填をカードに新たな交渉局面に入ったようであるが、復旧されるか、どうかはまだ決定した訳ではないようである。ちなみに、冬季に道路が寸断される区間は、只見-大白川の六十里越えの区間であるが、この区間においては2012年に復旧している。
夏の只見川沿いを抜けるのもよし、冬場の豪雪に埋もれた景色の中を行くもよし、只見線を会津若松から小出まで乗りとおす旅は魅力に溢れるルートであったので、早くまたこの魅力的な線区に通しで乗りたいものである。
付録 1994年撮影。雪とたたかう鉄道 只見線会津川口駅~タブレット交換
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