昨今、カメラ技術の進歩は目覚しいものであるが、走る被写体である鉄道写真はビギナーにとって「駅撮り」はともかく駅間における「ポイント撮り」は非常に大きな壁であると思われる。
「カメラは持っているけど使い方がイマイチ分からない」
「なんだか怪しげで恐そうな人が集まってる」
そして
「上手く撮れないであろうか」
まずは基本としてカメラに次のマニュアル設定をしてもらいたい
フォーカス-M(マニュアルモード)
ホワイトバランス-晴天モード
シャッター速度優先モード
以上3点。この辺は何とか取扱説明書を見ながら設定してもらいたい。これらが行われている事が前提で話が進む。
ピントとシャッタータイミング
AFの時代に何故、マニュアルと思うかもしれないが、列車の動きに対し、AFが上手く同調しない事が多い。よって古来から「置きピン」と言われる手法が使われている。これは今も基本中の基本であり、AFになった今も変わらない。線路脇の標柱や、バラストや枕木の継ぎ目など、列車がきたらシャッターを押すポイントを見つけておきあらかじめMFでピントを合わせておく。ここに列車が来たら、シャッターを押すのである。
ここで一発派とドライブ(連写)派とに分かれるが、持っているカメラが秒間6コマ程度なら一発の方がよい。1発目から2発目まで悲しいくらい移動しているだろう。秒間10コマ以上出せるカメラで初めてドライブが有効になる。それでも、置きピン位置を中心に短いショット数で収めるのが基本である。
さてMF(マニュアルフォーカス)に不安な方に裏ワザを教えよう、カメラによって違うが、フォーカスエリアを1点にのみ合わせられるモードがあるので、置きピン位置にターゲットを合わせ、AFでピントを合わせ、フォーカスを抜いてMFとしてしまう。これで、もうフォーカスは動かない。
ホワイトバランスは晴天モード
とりあえず、理屈抜きにそう覚えてもらいたい。目で見た自然な色合いが表現される。オートモードだと、特に夕刻の赤味などを補正してくれるのはいいのだが思った作例と違っていたりする。目で見た自然な色合いを出すには晴天モードが良い。
シャッター速度優先モード
小生は貨物専門なので1/650を愛用している。列車速度が上がっていくうちに求められる速度はドンドン上がって行き、新幹線などでは1/2000と高速なシャッターが求められるが、まぁ在来線レベルでは1/1000以下で止まる。後、問題は最近流行のLEDの方向幕だが、速いシャッター速度には同調しない。1/450以下の遅いシャッター速度が求められるが、なかなか難しいので小生は無視している。まぁ、シャッター速度優先になっていて、シャッター速度が決まっていれば、あとはカメラが自動で露出は出してくれる。
あまりマニアックな話は抜きにすると言っておいてアレだが、本当は露出の+-があるのであるで、可能であれば、試し撮りしてみて、またEVFであればファインダーで制御できるので、好みの露出が出るように1段絞ったり、開けたり、調整すると良い。カメラの値より若干暗めの方が「色が出る」事が多いので、小生は1段絞りを好んでいる。逆に1段空けるとオーバー気味になるので、実は、若干アンダー(暗く)なってしまった方が後でPCでの現像時の取り返しがつく事が多い。
レンズ
レンズは最初は望遠気味の方が使いやすい。なぜか、列車の「見かけ上」の接近速度が遅いからである。望遠レンズを覗いていると。列車はユックリと接近してくるが、広角レンズでは、アッツという間に置きピンポイントにやってきてしまう。まずは、長い方から慣れてきて、広角に移ると良い。望遠は顔面の迫力。広角は大空を切り取った壮大な風景が醍醐味である。
以上、、、って。
それで終わりにしないでくれって感じだと思われるが、後は実戦を重ねていかないと何とも。細かい添削などは色々あるが、最初からゴチャゴチャ言い出すと面白くなくなってしまうので、最初はとにかく撮る事だろうか。その後で、友人などに細かい添削を受けた方が良い何せ「自己満足の趣味だから」
望遠レンズは「見かけ上」の列車の接近速度が遅い。意外と初心者向けである。APS-Cタイプセンサーのデジタル一眼カメラで100~200mmといったあたりが使いやすい。(右の電柱が煩いかなぁ)
広角の醍醐味は青空を切り取った壮大な風景。ガァァァッと、置きピンした位置に接近してきてしまうので注意。
300Km/hオーバーを止められるか。写真のような若干暗いコンディションでは流石にレンズ性能がモノを言う。古いレンズだが、ミノルタAFアポテレ80-200F2.8ズームを使用。線路外から金網越しに撮影。曇天で1/2000、F2.8とシャッター速度は限界値まで来ていて感度勝負!。300Km/hは「何とか微妙だが」止まったが320KM/hは若干流れてしまった。しかし、薄暗さのお陰でHIDヘッドライトの色味が出ている。
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