広い田圃の中で一人ポツンと追肥作業中。
随分前から黒い雲が流れているし、遥か遠くで雷鳴が鳴ってるのには気づいていたが、風向きからこちらには来ないと思って作業を続けていた。
でも、だんだん周囲が薄暗くなり、行き交う車がヘッドライトをつけだした。
すると。突如。
すうぅーっと吸い込まれるような風が田圃の稲葉を揺らし、霧吹きで吹き付けたような薄い水滴が顔を打つ。
小生。夏のこの瞬間が好きだ。北海道、道北あたりの岬で感じる風に似ているからだろうか。どこか心地良い風でずっと打たれていたい気持ちにもなるが、そうもしてられない。
「奴が来る!」
慌てて田圃から上がり、軽トラを飛ばして自宅へ。荷物を納屋にしまい。家の軒先に入った瞬間。
「ズッザアァァァー。」
地面をたたく激しい雨、強烈な雷鳴。
都会で感じる夕立と、フィールドで感じるそれとでは何か違う。フィールドで感じる夕立はどこか大地の息吹のようなものを感じるのである。
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