2017年10月22日日曜日
RF/SQLが同じ軸に付いている機種は意図しないRFゲイン動作に注意
長野に来て1年半あまり、なかなか移動運用をしている時間がなかったりしていたのであるが、先日、10月21日(土)の夜に時間が空いたので出かけてみた。場所は東京方面に思いっきり飛ぶ所として、渋峠を選んでみた。
本来は22日の日曜日に運用しようかと思っていたのであるが、生憎の台風が近づいて来るコンディションの中、22日は風雨が強くなるとの予報が出ていたので、天気が粘りそうな21日、土曜日なので、お仕事ダンプモービルが居なくなる夜を狙って出る事にした。バンドは今回は定番の430MHz、お手軽にモービルホイップとした。
さて、紅葉が綺麗な志賀高原を抜けて渋峠に着いたのは18時前、ここは気をつけないと、群馬県側に出てしまうので、文明の利器、google先生に地図を照会しながら境界線にしっかりと収まる位置に陣取った。
VFOを回してみると、この場所なら、関東の信号がドンドン入って来るはずなのであるが、あまり入って来ない。偶然、埼玉のローカル局がラグチューをしているのをキャッチしたのでブレイクを入れて交信してみる。雑談中に突然、知り合いに0から呼ばれたのでビックリした様子であったが、難なく交信できる事ができて一安心した。
実はここで事件はヒシヒシと近づいていたのであるが、多分、この時に調整でダイヤルを触ってしまったのがいけなかったようである。
さて、運用周波数を確保して、CQを出し始めるも、思ったより飛んでない様子。長野市付近を走っているモービル局と、前橋市内の局と交信するも、どうも、こちらの波はガンと飛んでいるようであるが、先方の信号が異常に弱い。出力は20W程度しか入れてないので、パワーの入れすぎと言う事はないであろうが、ここの移動地はパイルアップになるくらい呼ばれる筈である。前橋の局長さんの信号も51といえど41に近いような信号だったし、おかしい。
何しろ続けて、CQを出すも空振り。これはいよいよ何かがおかしいと、思いながらアンテナ系統を疑ってみたが、SWRは正常だし、どうも波は出ているようである。
すると先ほどの前橋の局長さんがQSPを送って来た
「先ほどから、大勢のみなさんが、呼んでますよ。」
「エッ!?」
そして
「ああああああ!!!!!!」
何とRFゲインが絞ってあった。
RFゲインをググッと戻すと、先程、51と言えどカツカツだった前橋局が59ガン振れに。これでいよいよ、機器は正常であり、1時間強ほどの時間しか取れなかったのであるが、20局を超える局と交信ができた。ありがとうございました。
振り返って原因を探ってみたのだが、持ち運びができるオールモード機はダイヤル類が削減されている関係で、一つのダイヤルに複数の機構が付いている事が多く。IC-7100においては下段はマルチコントロールになるロータリーエンコーダー、上段はアナログなAFゲイン(いわゆるボリューム)とスケルチとRFゲインが組み合わされたダイヤルになっている。
ここで問題なのは上段、外側のRF/SQLと書かれたダイヤルで、これは下段ダイヤルと違って、ファンクション設定に関係なくアナログに動作するダイヤルで、FMモードで運用する場合注意が必要。単機能型のスケルチダイヤルの機種だと、微弱信号を扱う移動運用の時はスケルチを解放して、思いっきり左に回し切ったりしてしまうのであるが、この手の機種はセンターより左に回すとRFゲインとして動作してしまい、受信感度が低下してしまう。
もちろん、RFゲインとして動作してゆくとSメーターがグングン伸びるので分かるのであるが、今回はSメーターが反応しないファジィな領域にダイヤル位置があった場合RFゲインが働いていても気付かないようである。そして微妙にでもRFゲインが働いていると、山上の移動と言えど、本当に強い局しか受信できなくなってしまうようである。
故障でなくて良かったが、山上から大恥を関東にバラ撒いてしまった。ちなみに、何故RFゲインと気づいたかと言うと、FT−817もRF/SQLが全く同じダイヤル構成となっており、同じミスを犯していたから。その時は至近をモービルで走行していたOMさんが直に来てくれ、
「FT−817はこれをやっちゃうんだよねぇ」
と教えてくれたのだが。今回は標高2000米の山上でやってしまった。ちなみに土曜夜だったので、430FMのOM諸氏が聞いていたようで、その辺は流石歴戦のOM
「あいつ、RFゲインが何か絞ってあるのか、おかしいぞ」
と気づいたらしく、携帯ツールでQSPしようとした所で、こちらで気づいたようである。
いやはや、FT−817に続いてIC-7100でもやらかしてしまった格好だが、RF/SQLが同軸に付いている機種は要注意である。
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