2019年10月9日水曜日

THEブラック企業(3)強い労基が帰ってきた!


「労災ですか?なかなか認められませんし、こんなに条件厳しいですよ。」

「長時間労働ですか?運輸業は特認になってますから、そんなに時間は行かないんですよね。」

労働基準監督署とは、こんなやりとりから始まった。今回の相手は手強そうだから可能性のある公益通報は全部やる事として、その一連の流れで労働基準監督署を訪れたのだが、本当に落胆するというか、ガッカリするような内容だった。勤務先から理不尽な事をされて労基に駆け込むも、ガッカリした経験のある方も多いのでは無いだろうか。今回もご多聞に漏れず、監督官は労災も運輸担当もそんな感じで端からやる気ゼロ。

しかしそれは20日程した、ある日の事だった。Dr.S氏から電話があって

「今すぐ長野労働局の監督課に電話して!」

というので、半信半疑で労働基準監督署の上級官庁である長野労働局に電話すると大慌てで、

「すぐに調査します!」

と平謝りの様子。数日後、上田労基に直接出向くと、担当監督官は不在だったものの課長のS氏が出てきて、

「ちゃんと対応いたしますので」

とこれまた平謝りの様子。

 結局は数の問題である、一人で吠えると真実味が無いのである。個別案件が複数出てきた所で、調べもしないうちに、

「運送会社なんて特認ですから出ないもんだよね。」

なんて言ってしまった事が問題となったようである。

 前回の反省もあって、給与明細は全部用意しておいたし、勤務の証拠はできる限り残しておいた。だが、そこは運送会社、日報とGPSデータ付きのデジタルタコグラフは2年分は保管してある筈なので、

「自分の名前で入っても良いですから調べて下さい!」

と言って、調査が入る事になった。これ、会社の仕返しを恐れて匿名で入るのでは、ざっくりでなかなか出ないものである。それで悔しい思いをした人も多いと思う。しかし、もはや、辞める覚悟で自分の実名の指名でやると凄く効くらしい。事実、凄く効いた。しかも同じような個別案件を2名で同時に通報したものだからたまらない。

「俺が居るうちは何も怖く無い。ホコリ一つ出ないだろうから、労基でも運輸でもどこにでも行けばいい。」

これは長野営業所長の弁であるが、まぁそう言うなら話して見ようかと、労基に行ったのである(実は運輸にも行っているのだがそれは次回)。

 で、労基は基本、最初は立ち入り調査をするが、その後は「呼び付け」である。つまり出頭を求められるという事である。2年分の日報とデジタルタコグラフのデータの提出を求められ、責任者は定期的に呼び出されて、解析が始まった。

 しかし、解析が始まるも、よくもまぁ、こんなのが許されたものかと思われる、監督官も呆れる無茶苦茶な運行ぶりが、どんどん露呈してきた。結局は連続拘束時間が36時間という判定。月の残業時間は自分は「休日に写真を撮りに行きたい」とかワガママをこいて月に3日「も」休んでいたので以外と時間外労働は出ずに、それでも70〜80時間。但し、

「多い月には36協定の115時間を超える労働も認められました。」

という話であった。

ここで、労働に詳しい人は

「ちょっと!」

となるだろう。

「36協定が115時間ってナニですか?」

っていう状態だと思う。まぁ、そこが運輸業が運輸業たる所以なのである。人の命を預かるような仕事なのに、特認になっているのである。結局8月上旬に私の是正勧告。連続して9月上旬にDr.S氏の是正勧告が連続して出される事になったが、個別案件はお互いに知らないという事になっているので、私の場合。

総拘束時間違反 連続36時間
1日の拘束時間16時間以上
48時間断面での1日の拘束時間の1日平均が9時間超
13時間走った後の休憩時間が8時間に足りない>結果36時間カウント

といった違反が指摘され、残業代についても1週間の断面で40時間を超えた分を支払っていない件が指摘された。

改善基準告示違反

8月6日付で是正勧告がなされたと言う事である。

 しかし、まぁ、普通の経営者なら労基が入った段階で、ビビってしまう筈である。ちなみにこれは県と警察が入っている産廃と同時にやられている訳で、経営基盤の弱い社長さんだったら首を吊りかねない案件である。しかし、雇われの社長や営業所長では責任感が無いのだろう。所長が労基に呼び出されるのは当たり前、社長も週1回のペースで東京から上田まで呼び出されていたようで。その態度いかがなものか。彼らは気づいてないだろうが、私と鉢合わせしており、まぁ、内部の情報では3時間に渡って食い下がっていたようである。大抵の場合、ここまでこじれると弁護士同伴でやって来て今後の対応を協議するのが通例のようであるが、どうも弁護士が来ている気配はなく。


つまりは、

「役人風情が何を言う!。」

「納得がいかない。」

みたいな態度で食い下がったようである。

 序章に書いた通りの呆れた顛末である。総拘束時間36時間が指摘された、仙台のコースは、労基の監督官から私への説明では

「仙台はやめる方向で話が進んでいるようです。」

と報告を受けたが、現役の仲間からは、9月の段階では、全く是正されれず。10月になった段階でやっと、裏表で裏側を同資本の別会社(つまりは会社は別でもトラックの塗装やロゴが同じ会社)にやってもらう事にして「半分になった」との説明。結果は何も変わって無いのである。詳しくは次章で述べるが大手運送会社の定期便の傭車なので容易に解約できないのである。そして定期便なので365日毎日あるので、半分にしたところで、運行ダイヤを変えていないので、結果的には何も是正されていない。言い逃れに過ぎないのである。

 もうここまで来ると、最初に述べたような、やる気の無い監督官の姿は見る影もなく、鬼の形相である。労災担当の監督官も黙って、労災の申請を受理した。半年でも1年かかってでも追求する構えである。そして近々に有り得る次なる手は刑事訴追である。そう、労基の監督官は司法警察官であるから、「いわゆる警察官」を通さずして、訴追できるのである。

しかし、、、、、、、まぁ、、、、、、呆れるのは。

労基に訴追されて有罪になっても、在宅起訴がせいぜいで、だいたい略式で100万も払えばいいんでしょう。

的な反応のようで。

はぁぁぁぁ。

強い労基が帰ってきてもこれかと。

ただいざとなると訴追は怖いらしく、是正しますとの報告書を出して、おそらく営業所決済だとかの範疇なのであろう。未払い給与と言う名目で10万円と言う金額が支払われたが、これは訴追を逃れるための苦肉の策で。本当の額は民事手続きに出てみないと分からないようである。労基が入っているのに、肝心な所は通報者本人に教えてもらえないってのは難解な話である。

 しかし会社側としては、これでは終わらない。労働基準監督署は私と知る限り1ヶ月後の9月にDr.S氏の案件でもう一度是正勧告が出ているし、個別案件が終了した後も、今後も継続して監督してゆくとの事である。また、このレベルの案件の場合は、労働局長より北陸信越運輸局長宛てに通報が行く可能性が高いのである。実際は労働局長からの通報の前に動いていたのであるが、次の話は、事業免許が関わる運輸局ステージである。


0 件のコメント:

コメントを投稿