2019年10月8日火曜日

THEブラック企業(2)300枚、掘削調査権の壁

 「300枚」、「10㎥」

 何の数字であろうか。長野県に情報開示請求して取り寄せて手に入れた、立入検査の結果、焼却して埋めた物の枚数と量である。開示資料は実は誰でも取れるから、長野県庁の情報コーナーに行けば15日以内に公開の可否の通知が来て、申請から20日前後で入手する事ができる。公文書が無い物は調査が行われていないという事、公開できないという事は公文書は「有る」という事で有るから、「非公開」という結果が出てもそれはそれで興味深い物で有るが、「一部公開」という結果であった。

 入手した文書の中で興味深いのが、復命書、立入検査記録、事実書であった。復命書、立入検査記録は行政の立入の結果と今後の方針を示す資料、事実書は違法行為を行った者に、行為の内容と今後の是正を約束させた念書である。書かせた事実書と今後起こる実際の様子と違う事は集中して調べるとの事である。





 全く情報公開制度っていうものはお約束どうり運用されているもので、公開できない、個人の氏名とか、住所、電話番号、メールアドレスは黒塗りされているが、法人名や役職名は黒塗りされていないから、誰が言ったか事か容易に想像できて面白い。ここに載せてあるものは、行政の文書に独自の判断で更に黒塗りを加え、ボカシを加えたものであるが今回の事件のものである。高精細な物が欲しければ、長野県庁に行けば早いが、各地の出先機関の地方振興局やFAXでも申請できるそうである。特定厨の人は申請して見ると良い。

 しかし、どうであろうか、書類を読むと木製パレット300枚を幅4メートル、深さ3メートルの穴に埋めて平成28年から令和元年6月までの間に燃やしたと記載されているが、果たしてパレット300枚がその穴に収まるのだろうか?そしてその穴があるとされている位置は自分が見た場所とは違う場所だし、自分が見たものはもっと大きいものだった。

 また、面白い見方ではパレット300枚は低床の大型トラック1台分だが、燃やしてしまうと一輪車3杯程度だよと言う意見もある。確かに、不動明王をご本尊とする修験系の寺などでこの時期、火渡りという祭行事が行われるが、うず高く積み上げられた焚き木が、炭になって渡る頃にはすっかり消え失せている。気合いを入れて渡らないと「熱い!」。あとかたづけは箒と箕で行い、軽いものである。園芸農業をやっていたからよく知っている、その類のものは土に埋めておくと堆肥化してしまう。ふぅ〜ん、そう考えると300枚で10㎥も堆積ねぇ...とも考えてしまう。ちなみに参考までに、焼却灰の比重はものによっってもだいぶ違うようであるが、0.6〜1.0と換算されるようで、10㎥では推定で最大10トンにもなる。

 さて、焼却廃についても撤去計画が示されており、見積書が出ている。ダイオキシン検査の後、運び出す事になっているが、令和元年8月31日までに終了する計画で提出されており、0.45のバックホーを使って掘り、前に述べたが、10㎥量であるとの計画である。ちなみに焼却穴を掘ったのは0.25のバックホーであった事を付け加えておく。

 ダイオキシン検査も試料を被疑法人側の人物が、某工務店に持ち込んだようであるが、そこから長野県の環境調査を行う公益法人に持ち込まれ、そこからさらに京都府の業者に持ち込まれて検査が行われた。環境基準の3ng-TEQ/gに対して試料から検出されたダイオキシンは0.10ng-TEQ/gと環境基準を下回る数値であるが、資料を見る限り、試料の量が20gとなっており、具体的にどの部位から取られてたのか明記が無いし、写真や図面の添付が無い。こんな少ない試料の量で、本当に焼却穴から採取されたかどうか分からないようなもので検査が通ってしまうのか。いささか不思議であったが、結果としては、ダイオキシンは出なかったので、計画どうり焼却灰の除去作業は進行せよとの事になった。

しかしである。

 計画書に記載された終了日の8月31日を過ぎて9月に入っても、そして最終期限の9月30日を過ぎて10月に入っても一向に焼却灰の撤去は行われている様子が無い。工程表では0.45のバックホーは1週間置いておく事になっているから、そんな物が運び込まれれば社員を通じて私の耳に入る筈である。まさか、見落としているとは考えにくいが、書類上は、10㎥程度だからもう既に搬出されてしまったのかと思い、長野県に問い合わせたが、県の担当者は何も起こって無い風の素ぶりで、ダンマリを通している。全く最近のお役人の失言しない慎重さと付き合うのも大変であるが、そこで、9月10日過ぎに、二度目の公文書を取ってみたら、10月上旬に開示されたのだが産廃処理の契約書も、マニフェストも出てこなかった。撤去したら埋めもどす前に、整地して良いか、県の調査を受ける事となっているから、県の調査の報告書もある筈である。つまり、手付かずだという事が予測される。

 ちなみに6月下旬に同時に指摘された、500本ほど放置してあったトラックの使用済み古タイヤについては7月中に契約が結ばれ、8月上旬に撤去が終わり、マニフェストのE票まで戻って来ているので、いかに焼却灰の撤去が難航しているかが分かる。計画ではダイオキシン類の処理もできる長野県では唯一と思われる飯山市の業者が最終処分を行うという事になっていたのであるが、これは憶測であるが、事件性があるし、その量では済まないだろうみたいな注文がついてしまい、契約が結べない状態にあるのでは無いのかと推測される。そうなると、長野県内の業者では無理で、全国区で探さねばならず、完全に手戻りである。

 推測はともかく、問題は、焼却灰という、ダイオキシンの含有の疑いがある物が、現認されているだけで10㎥、推定で18トン埋まっているという話で進んでいる。しかし、社員の話や自分の見たものの推測ではもっと多く、10トンダンプで何十台になるか分からないような量があると思われる。そんなものが、命令の期限を過ぎても地中に放置されており、警察も長野県の環境も、掘削調査権が無いという壁に阻まれているという実態である。

 県の資料には、調査、権限の限界という、泣き言とも取れる一文があったりするし、警察は一切内容を喋らない。どういう手段で検挙するのかはまだ、想像もつかないという事のようである。ちなみに、長野県の産業廃棄物の不正処理で検挙される例で意外と多いのが、伐採した樹木の焼却であり、そのような物をたかだか15kg燃やしただけでも罰金刑となっているようである。10トンダンプ数十台級の焼却灰は出ないとしても、すでに現認されている10㎥級の焼却灰であっても、今後の捜査が警察に移った時にどうなるか?命令に従っていない現況をどう加味するのか。非協力的だったり内部通報者が居る場合は量刑は満額に近くなる。ちなみに満額は、法人で罰金3億円、責任者個人に1千万円である。その他、廃棄物の処理費用は別途である。


 次回は、同時に進行した労働基準監督署の話題をしようと思う。あのグズで動かない労基が労働局も巻き込んで大騒ぎした話である。





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